2003 Fiscal Year Annual Research Report
振り子型自励振動子群に発生する自己同期現象のメカニズムの解明
Project/Area Number |
15760155
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
盆子原 康博 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (10294886)
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Keywords | 非線形振動 / 自励振動 / 安定性 / カオス / インパルス / 概周期振動 / 自己同期現象 / シューティング法 |
Research Abstract |
本研究では,振り子型自励振動子群の自己同期現象の発生メカニズムを解明することを目的としている.本年度は,自己同期現象の発生原因である振動子間の相互作用の効果について検証するため,実験装置の設計および制作を行った.この実験装置は,振り子状の台の上に振動数の異なる複数のメトロノーム(自励振動子)を同一面内で振動するように搭載した全体結合振動子系の一種であり,初期条件に応じて様々なパターンの同期現象を引き起こすことができる. 本実験では,各振動子の振動数や台の固有振動数を変動パラメータにとり,自己同期現象の発生の有無および同期パターン,概周期振動やカオスの存在領域について詳細に調べた.その際,振動子や台の運動に関する時系列データの測定には,2次元動画解析システムや加速度ピックアップ等を利用した. また,実験系に対して適切な解析モデルを設定して詳細な数値解析を行った.まず,解空間の全体的構造を明らかにするため,独自に改良を行ったシューティング法を適用して,不安定解を含むすべての定常周期解(同期解)を求めた.さらに,数値積分を利用して概周期解やカオスの存在領域についても詳細に調べた.なお,数値解析で用いる系パラメータは,実験結果を基にして同定計算を繰り返し行うことにより決定した. 今回の解析モデルの妥当性について検証するため,実験結果と解析結果との比較を行ったところ,発生した同期パターンの種類やその存在領域など,定性的な面ではある程度対応づけることができた.しかし,本実験系では,初期条件のわずかな違いが発生する現象に大きく影響するため,使用した測定機器の性能では十分に系パラメータを測定することができなかった.このため,今後より厳密に解析を行うためには,実験装置自体の精度の向上や測定方法について再検討する必要がある.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hiroki MORI, Takahiro KONDOU, Yasuhiro BONKOBARA: "Analytical Study on Self-Synchronized Phenomena Generated in a Nonlinear Systems Constructed from Pendulum-Type Oscillators"Proc.of Asia-Pacific Vibration Conference 2003. Vol.2. 450-455 (2003)
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[Publications] 盆子原康博, 近藤孝広, 綾部隆, 津曲健, 文徳弘: "グラフ理論を援用した伝達剛性係数法の提案"日本機械学会 機械力学・計測制御部門講演論文集. 03-7(CDROM). (2003)
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[Publications] 津曲健, 盆子原康博, 近藤孝広, 綾部隆, 文徳弘: "伝達剛性係数法による大規模薄板構造物の振動解析"日本機械学会 機械力学・計測制御部門講演論文集. 03-7(CDROM). (2003)
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[Publications] 森博輝, 近藤孝広, 盆子原康博, 久保洋一: "振り子型自励振動子群の自己同期現象(様々な振動数比の同期現象)"日本機械学会 機械力学・計測制御部門講演論文集. 03-7(CDROM). (2003)
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[Publications] 久保洋一, 綾部隆, 近藤孝広, 盆子原康博, 森博輝: "自己同期現象を利用した振動推進装置の性能評価"日本機械学会 機械力学・計測制御部門講演論文集. 03-7(CDROM). (2003)