2003 Fiscal Year Annual Research Report
運動学的親和性を有する全身着用型補装機械の関節機構の研究
Project/Area Number |
15760186
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
森園 哲也 豊田工業大学, 工学部, 助手 (70309003)
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Keywords | ウェアラブルロボット / SkillMate / 運動学的親和性 / wearable HEXA / 設計 / コンパクト / 最適化 / 遺伝アルゴリズム |
Research Abstract |
着用した作業者の持つ作業技量を作業に反映させることを可能にする全身着用型補装知能機械SkilMateの肩関節機構を実現するための設計に関する研究を行った.作業者の持つ作業技量がSkilMateの着用によって損なわれないために,関節機構には着用者に対する親和性が求められる.本研究では特に,運動学的観点から見た関節機構の親和生を高めることができるように機構を設計することが目的である.本年度は,(他研究者により提案された)既存のパラレル機構HEXAを,研究代表者が着用可能な形態に改良した「wearable HEXA」機構を検討の対象に据えた.この機構を,人間の肩関節機構と同程度にコンパクトな大きさとなるよう設計することが,本研究において解決すべき問題である.しかし,この要求は,例えば人間の肩関節と同等の広い可動範囲を有するといった,機構が運動学的な親和性を満たすために求められる他の要求とはトレードオフの関係となる.そこで,本機構の設計を最適化問題として構成することを考え,本年度はそのための検討を進めた.まず,wearable HEXAにおいて最適化の対象とする設計パラメータを定めた.次に,機構の「コンパクトさ」の定義について議論を行った.一方で,wearable HEXAの逆運動学ならびに特異点解析に必要となる解析式を導出した.そして,コンパクトさの定義と解析式から最適化問題を構成し,その問題の解を求めるプログラムの作成を進めた.研究の対象としたwearable HEXA機構では順運動学が解析的に求まらないこと,ならびに設計パラメータが非常に多く(19個)あることから,本研究では最適化問題の求解に遺伝アルゴリズムを採用した.その個体の構成方法,ならびに上述の「コンパクトさ」の定義を反映することのできる適応度関数の定義について検討を行った.
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