2004 Fiscal Year Annual Research Report
運動学的親和性を有する全身着用型補装機械の関節機構の研究
Project/Area Number |
15760186
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
森園 哲也 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70309003)
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Keywords | 肩関節 / ウェアラブルロボット / 運動学 / 6自由度 / パラレル機構 / 可動範囲 / コンパクトさ / 遺伝アルゴリズム |
Research Abstract |
作業者の持つ作業技量を作業に反映できることを目標とした全身着用型補装知能機械SkilMateへの適用を目指し,人間の肩関節周りに着用することのできるウェアラブルな関節(以下単に「関節」と呼ぶ)の設計に関する研究を行った.本研究は特に運動学的な側面に着目し,通常の着衣のように着用者体表上での着用位置の厳密な位置合わせを要求せず,既製服のように着用者間での体格の多少の個人差には無調整で対応でき,さらに着用者の肩関節骨格と関節機構の幾何学的異構造性を前提にしてこれに起因した拘束力を着用者に与えないような関節を実現するために,十分条件として関節の自由度を6にすればよいという考え方を採用した.そして,着用者の肩関節周りに関節の構成部品が配置できるように,パラレル機構による関節の実現を考えた.具体的には,.研究代表者がこれまでにウェアラブルな肩関節のために提案してきたWearable HEXAと呼ばれる機構を用いた. 本研究で解決すべき最大の問題は,人間の肩関節の運動範囲をカバーできる可動範囲を関節に持たせつつ,関節の大きさをできる限りコンパクトにすることであった.この両者はトレードオフの関係にあると仮定される.そこで,関節の可動範囲の大きさとコンパクトさに対する定量的な指標をそれぞれ考案した上で,両者のトレードオフを最適にする関節の運動学的設計パラメータの値を見出すための問題を構築した.設計パラメータ数が多く,また設計パラメータと可動範囲の大きさの関係が陽に記述できないため,求解には遺伝アルゴリズムを用いた.結果として,これまでの研究代表者の研究結果に比べて関節の大きさをほぼ半分にできるだけでなく,可動範囲も12%拡大して人間の肩関節運動範囲のほぼ70%をカバーできることが示された.関節の試作機の評価からは,設計時の見積もりに比べて,関節の可動範囲がより大きなものであることも示された.
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Research Products
(1 results)