2003 Fiscal Year Annual Research Report
電力用アクティブフィルタの高速ディジタル電流制御回路の開発
Project/Area Number |
15760193
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤田 英明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (40238580)
|
Keywords | 高調波 / 電力用アクティブフィルタ / FPGA / ディジタル電流制御 |
Research Abstract |
近年,配電系統の高調波対策として電力用アクティブフィルタが注目されている。電力用アクティブフィルタは高調波発生源とは逆位相の高調波電流を系統に注入して高調波電流を打ち消すものであり,良好な高調波抑制特性を得るためには,遅れなく注入電流を制御することが不可欠となる。柔軟な制御特性を得るために,電力用アクティブフィルタの制御回路をディジタル化しようとする研究開発が進められている。しかし,ディジタル制御回路を用いてアナログ電流制御と同等の電流制御特性を得ることは難しい。これは,電力用アクティブフィルタの主回路として用いられるPWMインバータのスイッチング周波数は5〜20kHzであり,20kHz以上の高周波サンプリングを行ってもPWMインバータの制御に反映することはできない。つまり,ディジタル制御回路に高速なプロセッサを用いたとしても,PWM制御に反映するまでの待ち時間が増えるだけで,常に1サンプリング周期の遅延が生じてしまう。 本研究は,高速ディジタル電流制御回路を開発し,電力用アクティブフィルタの補償特性を改善することを目的とする。本年度は,高速A/D変換器とFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いた高速ディジタル電流制御回路を開発し,高速電流制御回路の制御遅延の低減効果と電流制御特性を評価した。その結果,本研究の高速ディジタル電流制御回路は,制御回路内の遅延時間を低減できることを明らかにし,従来のディジタル電流制御回路に比べて約8倍の高速な電流応答が得られることを確認した。平成16年度は,開発した高速電流制御システムを電力用アクティブフィルタに接続し高調波抑制効果を評価する予定である。
|