2004 Fiscal Year Annual Research Report
自立型分散電源システムに適用する超伝導フライホイールの高性能化に関する基礎研究
Project/Area Number |
15760199
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
津田 理 山口大学, ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー, 助教授 (10267411)
|
Keywords | 超伝導フライホイール / 超伝導バルク体 / 超伝導軸受け / 磁気浮上 / YBCO / 浮上特性 / エネルギー貯蔵 / 分散電源 |
Research Abstract |
本年度は、研究実施計画に基づき、主に以下の2項目について検討を行った。 (1)数値解析によるバルク体の電流・浮上力布ならびにバルク体変位時の復元力の評価および浮上力と浮上安定性のメカニズムの検討 申請者がこれまでに構築してきた、電流ベクトルポテンシャル法に基づく三次元有限要素法計算機コードを用いて、バルク体が経験する磁場分布を変化させた場合における、バルク体内の電流分布や浮上力分布について検討した。その結果、バルク体の安定浮上には、バルク体を浮上させる前に磁場中冷却(着磁)を行う必要があり、また、高浮上力を得るには、着磁量をできるだけ小さくする必要があることがわかった。しかし、着磁量があまりにも小さ過ぎると、浮上安定性を十分確保することができなくなるため、浮上力と浮上安定性のトレードオフについて検討することが重要となる。また、浮上力を大きくするには、バルク体の経験磁場を大きくすることが効果的であるが、その他に、バルク体が経験する半径方向磁場を大きくすることが有効であることがわかった。 (2)永久磁石を用いた簡易浮上システムの製作および浮上力と浮上安定性(剛性)の評価 バルク体に働く浮上力や浮上安定性は、バルク体が経験する磁束密度や磁場勾配の大きさに依存することから、同じ大きさである複数の永久磁石を組み合わせ配置し、高浮上力ならびに高安定性の得られる磁極配置について検討した。今回特に着目した磁極配置は、バルク体を挟むように二つの永久磁石を対向させた配置であり、実験では、対向する永久磁石が異極の場合と同極の場合の比較を行った。その結果、異極の永久磁石を対向させた方が、バルク体の移動に対するバルク体の経験磁場分布の変化が小さく、結果として、バルク体の着磁位置付近では大きな浮上安定性が得られないことがわかった。しかし、復元力の最大値については、同極の永久磁石を対向させた場合よりも大きくなることが確認された。
|
Research Products
(1 results)