2003 Fiscal Year Annual Research Report
マルチレートシステムに基づく交流電動機の同定と制御に関する研究
Project/Area Number |
15760206
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
長谷川 勝 中部大学, 工学部, 講師 (70340198)
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Keywords | 交流電動機 / 速度センサレス / ベクトル制御 / 適応オブザーバ / マルチレートシステム / 極低速運転 |
Research Abstract |
本研究課題に対して,今年度は以下の研究活動を行った。 1.マルチレートシステムに基づく交流電動機の同定と制御に関する研究を遂行するにあたり,実験装置の開発を行った。本システムはDSPとソフトウェアによる信号処理,FPGAによるPWMシステムとマルチレート信号発生および電力変換器の練成による交流電動機制御システムである。 2.交流電動機の同定および制御におけるマルチレートシステムの概念を適用することの有効性を明確にするため,従来のシングルレートシステムに基づく交流電動機制御系の性能限界を実験的に検討した。その結果,シングルレートシステムにおいても若干の工夫を施せば,同定および制御が困難な極低速運転においても,極めて低負荷であれば安定な制御が実現可能であることを示した。したがって,提案するマルチレートシステムにおいては,これを凌駕する,すなわち高負荷に対して安定な制御を実現する必要があることを明らかにした。以上の結果により,IEEE/IES IECON2003においてBest Presentationおよび,船井情報科学奨励賞を受賞した。 3.マルチレートシステムの概念を導入したマルチレート形適応オブザーバを提案した。提案法によれば,交流電動機が本質的に有する不安定零点を安定領域に移動させることが可能であることを明らかにした。さらに,実験を行い,現段階で2.と同等の性能を実現できることを明らかにし,本提案法の妥当性を確認した。提案法は,さらなる高負荷条件でも安定な制御を実現する可能性を有しており,次年度では,その有効性を明らかにしたい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 長谷川 勝: "速度センサレスベクトル制御のためのγ-正実化問題に基づくロバスト適応オブザーバの設計法"電気学会産業応用部門大会講演論文集. I. 313-316 (2003)
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[Publications] 山口 宜久: "マルチレート適応オブザーバを用いた零周波数運転時における誘導電動機速度センサレスベクトル制御系の安定化手法"電気学会産業応用部門大会講演論文集. I. 317-320 (2003)
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[Publications] 河野 恭孝: "適応同定の安定性と磁束位相推定のロバスト性を考慮した適応オブザーバによる速度センサレスベクトル制御"電気学会産業応用部門大会講演論文集. I. Y-18 (2003)
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[Publications] Masaru Hasegawa: "Robust Adaptive Full-Order Observer Design Based on γ-Positive Real Problem for Speed Sensorless Vector Controlled Induction Motors"Proc.of The 29th Annual Conference of the IEEE IES. 60-65 (2003)
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[Publications] 八田 英明: "高周波信号注入を用いない誘導機速度センサレスベクトル制御の零速度制御時の一安定化法"電気学会全国大会講演論文集. IV. 170-171 (2004)
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[Publications] 山口 宜久: "マルチレート適応オブザーバを用いた速度センサレスベクトル制御誘導電動機の零速運転"電気学会全国大会講演論文集. IV. 172-173 (2004)