2003 Fiscal Year Annual Research Report
並列配置型小型垂直軸風車を用いた都市型風力発電システムの開発
Project/Area Number |
15760207
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
安田 陽 関西大学, 工学部, 助教授 (70268316)
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Keywords | 風力発電 / 垂直軸風車 / サボニウス型風車 / 回転界磁型同期発電機 |
Research Abstract |
平成15年度は既設フィールドテストサイト(大阪府吹田市・関西大学千里山キャンパス第4学舎第1実験棟屋上)の風況(平均風速約3.6m/s)に合わせた風車の設計を行い,検証用風車を試作した。作成した垂直軸風車のブレード部は高さ約1,000mm,回転直径660mのバッハ型サボニウス風車であり,発電機部は(株)マザーズ社製アキシャルタイプ回転界磁型同期発電機(定格110Wおよび77W)を採用した。また,この垂直軸風車を用いてフィールドテストサイトに試験用風車を3台設置した(残り1台は学内工事区画に隣接するため現在設置を見合わせており,平成16年度5月頃設置の予定である)。 フィールドテストは平成15年12月より運転を開始し,平成16年3月までに調整を兼ねた試運転を行っている。現在,この試運転期間の中で自動計測方法の確立や適切な負荷の選定を行い,4月からの本格測定に向け,調整を進めている段階である。 また,フィールドテスト用に設置した風車のうち二台は36極機(定格110W),うち一台は18極機(定格77W)と,同じブレード形状のものに異なる発電機を設置し,低風速領域でそれぞれどのような発電特性が得られるかを検討した。その結果,高風速領域では36極機の発電量が上回るものの,低風速領域では18極機の方が上回る場合もあり,設置箇所の風況によっては敢えて定格を小さくした方がより大きい発電量が得られる可能性もあることが示唆された。さらに,本研究で設置した垂直軸風車は1m/s以下の弱風領域でも充分良好に起動し,市販の水平軸風車と比較した場合,起動特性において非常に優位性があることが確認された。 なお,フィールドテストと並行して,弱風領域で使用する垂直軸風車に最適な新しい発電機も考案し,現在開発を進めている。この発電機は試作機が完成後,現在フィールドテストに用いられているアキシャルタイブ発電機と交換し,フィールドテストを継続する予定である。
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