2004 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド・マグネット用500A温度可変臨界電流測定装置の開発と研究
Project/Area Number |
15760215
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西島 元 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30333884)
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Keywords | 臨界電流 / 圧縮 / 歪 / 電流-電圧特性 / ニオブ・スズ超伝導線材 / 冷凍機冷却超伝導マグネット |
Research Abstract |
平成16年度は「ハイブリッド・マグネット用500A温度可変臨界電流測定装置」の立ち上げと調整を行ない,特に圧縮側の歪を印加した状態での臨界電流測定を可能とするようにし,液体ヘリウム中(4.2ケルビン)で-0.5%程度までの圧縮歪下での臨界電流を500A(アンペア)まで測定することが可能となった。一方,電流-電圧測定は従来アナログペンレコーダに頼っていたが,計測精度を上げるためにナノボルトメータを用いて測定することとし,電圧信号増幅用の低雑音増幅器(エヌエフ回路設計ブロック製)を2台購入した。この増幅器は現在購入可能な信号増幅器のなかで最もノイズレベルの低い増幅器である。1台で100倍の増幅率なので2台で10,000倍までの信号増幅が可能となり,電流-電圧測定において電圧がより精確に測定できるようになった。 これら装置と,従来用いていたGM(ギフォード・マクマホン)冷凍機冷却クライオスタットを用いて,タンタル繊維補強ニオブ・スズ超伝導線材の機械特性,臨界電流の温度依存性,熱的安定性を調べ,同線材が延性に優れ,熱的安定性の観点からも冷凍機冷却超伝導マグネット用線材として有力候補の一つであることを示した。また,ニオブ・チタン補強ニオブ・スズ線材を用いたコイルの横圧縮試験を行ない,ニオブ・チタンの補強効果が引張りだけでなく横圧縮に対しても有効であることを示した。さらに,今後の超伝導マグネットの更なる強磁場化にとっては必須の研究課題である高温超伝導コイルの高強度化のために,マトリクス材の比率の低い(低銀比)ビスマス系高温超伝導線材の引張り試験,フープ力試験を行ない,その機械特性を明らかにし,ステンレステープを用いた補強効果の実証も行なった。
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Research Products
(3 results)