2003 Fiscal Year Annual Research Report
化合物半導体歪み多層ヘテロ構造をベースとした機能性立体ナノ材料の形成と評価
Project/Area Number |
15760217
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
赤堀 誠志 北陸先端科学技術大学院大学, ナノマテリアルテクノロジーセンター, 助手 (50345667)
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Keywords | 化合物半導体 / 歪み多層ヘテロ構造 / ナノチューブ / ナノリング / ナノコイル / 電子物性 |
Research Abstract |
本研究では、新しいナノ材料を創製するために、半導体結晶成長技術により作製可能な化合物半導体歪み多層ヘテロ構造と、電子線リソグラフィーや選択エッチングなどの半導体プロセス技術を組み合わせることにより、二次元電子ガスなど機能性を有する多層構造を内包するナノチューブ・ナノリング・ナノコイルなどの機能性立体ナノ材料形成技術の確立と、形成した機能性立体ナノ材料の電子物性・光学物性・機械物性の評価を行うためのナノ加工技術の開発を目的としている。また、将来的にはそれらを量子デバイス・マイクロマシン等へ応用することを目指しているものである。 本年度は、機能性立体ナノ材料形成技術の確立を目指し、主に分子線エピタキシーによる歪み多層ヘテロ構造の結晶成長、ならびに電子線リソグラフィーと選択エッチングによる立体ナノ材料形成および加工を重点的に行った。 まず、分子線エピタキシーによる歪み多層ヘテロ構造の結晶成長については、主に各層厚および混晶組成比を変化させ、立体ナノ材料形成時の形状変化について調べ、以下の結果を得た。 1.AlGaAs犠牲層に比べ、AlAs犠牲層の方が加工再現性に優れている。 2.歪み層厚が増加するにつれ、チューブ巻き径がsuper linearに増加する。 また、電子線リソグラフィーと選択エッチングによる立体ナノ材料形成および加工については、主としてパターン形状とプロセスの検討を行い、以下の結果を得た。 1.選択エッチング時に薄膜が巻く方向は<010>で、またパターンの長手方向に対して垂直である。 2.選択エッチングにより形成されたチューブは強度が低い。このためSiO_2スパッタにより保護膜の形成を行い、チューブの保護に成功した。 以上の結果に加え、本年度遂行できなかった金属電極形成技術を確立することにより、機能性立体ナノ材料の物性評価、とりわけ電子物性評価が可能になると期待される。
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