2004 Fiscal Year Annual Research Report
CoPt,FePt合金内包カーボンナノチューブの磁気特性と構造解析
Project/Area Number |
15760220
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
藤原 裕司 三重大学, 工学部, 助手 (90301225)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 磁気異方性 / CVD |
Research Abstract |
マイクロ波プラズマを用いた化学気相成長(MPECVD)法を用いることで,カーボンナノチューブ(CNT)を基板に直接成長させることができる.MPECVD法でCNTを成長させるためには金属触媒が必要である.金属触媒としてはFeやCoなどの磁性金属が多く用いられている.また,成長させたCNTには触媒として用いた金属が内包され,その形状は円錐形であることがわかっている.本研究では触媒金属にFePtおよびCoPtを用いてCNTを成長させ,その構造,磁気特性を評価することを目的とした、構造解析は走査型電子顕微鏡(SEM),透過型電子顕微鏡(TEM)およびX線回折を用い,磁気特性の評価には振動試料型磁力計(VSM)を用いた. まず,触媒金属としてFeとCoの比較を行った.Feを触媒として用いた場合はCNT薄膜を作製できた.Coを触媒とした場合,単体ではCNT薄膜が剥離することがわかった.これを防ぐためにはCrなどを下地としてSi基板上に堆積させた後にCoを成膜して触媒とする必要があることがわかった.これらの結果を受けてFeを触媒とし,徐々にPtを添加してCNT薄膜の特性を評価することとした. Feのみの触媒ではCNT薄膜の保磁力は1kOe程度であった.徐々にPtを添加していった結果,Pt濃度が10%程度まではCNTは成長するが,それ以上になると成長が抑制されることがわかった.また,Ptを添加して作製したCNTの直径がわずかに小さくなっているようであった.保磁力は1.2kOe程度まで増加した.この原因はFePt規則合金の生成によるものであるか,CNTに内包されている微粒子の構造が変化したためであるかは,現在のところわかっておらず,さらなる研究が必要である.
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Research Products
(1 results)