2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15760223
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
野見山 輝明 鹿児島大学, 工学部, 助手 (60274859)
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Keywords | 光蓄電池 / 酸化チタン / カーボンファイバ / 電気化学インピーダンス / 周波数応答解析(FRA) / 等価回路 |
Research Abstract |
光蓄電池ペーパは,光で自己充電するシート状の電池デバイスである.本研究では光蓄電ペーパの基礎研究として,光触媒(TiO_2)とカーボンファイバ(CFs)を用いたTiO_2/CFs複合電極による光蓄電特姓を調べている.平成15年度は,電気化学インピーダンスの周波数応答解析(FRA)によるTiO_2/CFs複合電極の光蓄電反応の等価回路モデルの導出を目的とした.TiO_2/CFs複合電極の等価回路モデルの導出に先立って,TiO_2担持のベース電極となるCFs電極が直径が数十ミクロンの単繊維の集合体という特異な形状であるため,FRAにおいて一般的に用いられる平板電極の知見が適用できるかを調べた.その結果,我々の測定周波数域(20kHz〜1mHzでは,ほぼ平板電極と同じ解析手法が適用でき,一定位相角容量成分と電荷移動抵抗の並列回路で記述できることがわかった. 次にCFs電極の等価回路(circl)を基にして,暗下及び光照射後の光充電されたTiO_2/CFs複合電極のFRAを行った。まず,暗下のTiO_2/CFs複合電極のFRAにより,CFsの表面に担持されたTiO_2により生じた素過程を記述する等価回路(circ2)を見いだした.これらの結果より,TiO_2/CFs複合電極は,circ1とcirc2の直列の等価回路で記述できることがわかった.また光充電状態でのTiO_2/CFs複合電極は,暗下つまり光充電されていない電極と比較して,大きくインピーダンスが減少することがわかった.このインピーダンスの減少は,CFs上の反応を記述するcirc1の電荷移動抵抗の減少が一因であることがわかった.これは,光充電状態でCFs電極上にエネルギーの高い反応生成物が生じていることを示唆しており,当初の電極設計通りにCFs上で光による蓄電反応が起こっていることがFRAで確認できた.
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