2003 Fiscal Year Annual Research Report
量子情報のセキュアな伝送のための量子誤り訂正符号の構成法
Project/Area Number |
15760271
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
臼田 毅 愛知県立大学, 情報科学部, 助教授 (80273308)
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Keywords | 量子情報理論 / 量子誤り訂正符号 / 量子情報セキュリティ / 量子プロトコル |
Research Abstract |
本年度に行った研究業績を要約すると次のようになる. 1.量子情報のセキュアな伝送のための量子誤り訂正符号に対する通信路モデルの提案 量子情報のセキュアな伝送のため,量子通信路に流すことが想定される,一部の量子ビットの誤りにのみ対処する,特定位置量子誤り訂正符号を包含する,一般的な通信路モデルとして,高信頼量子メモリなどの信頼性の高い通信路と,盗聴者の存在するような信頼性の低い通信路からなる通信路モデルを提案した. 2.m量子ビット情報のセキュアな伝送のための量子誤り訂正符号の構成及び復号法 量子情報のセキュアな伝送のための特定位置量子誤り訂正符号の考察を行った. 一般のm量子ビットの伝送に対応する,(3m,m)符号を提案し,そのスタビライザーを導出した.また,スタビライザーの測定に基づくオーソドックスな復号が可能であることを示した.加えて,量子プロトコルへの応用をした際に本質的な,一部の量子ビットのみを用いた復号法を提案した.この2つの復号法のいずれの場合も,量子符号の先頭m量子ビットについての任意の誤りを訂正可能であることを示した. 3.(3m,m)量子符号による量子情報のセキュアな伝送プロトコルの検討 量子情報のセキュアな伝送のために,2の量子誤り訂正符号を適用する手法を検討した.量子通信路を通して,量子符号の中の一部の量子ビットの伝送が完了した後,量子テレポーテーションの応用により,送りたかった量子情報を受信側に伝えることが可能かどうか,送受信者間のエンタングルメントを計算することにより,考察した.その結果任意の入力量子情報に対して,エンタングルメントがm-ebitsあり,テレポーテーションが原理的に可能であることが示された.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 白木宏幸: "m-qubits情報のセキュアな伝送のための特定位置量子誤り訂正"電子情報通信学会 第8回量子情報技術研究会. 13-18 (2003)
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[Publications] 白木宏幸: "Quantum error correcting code for specific position errors and its application"Proceedings of EQIS2003. 111-112 (2003)
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[Publications] 田中貴峰: "量子ハミング限界を破る量子符号の特性"平成15年度電気関係学会東海支部連合大会. 187 (2003)
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[Publications] 田中貴峰: "特定位置量子誤り訂正符号に対する訂正方法の考察"第26回情報理論とその応用シンポジウム. 2. 659-662 (2003)
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[Publications] 宇佐見庄五: "Quantum error correcting code for specific position errors and its capability"International Symposium on Quantum Info-Communications and Related Quantum Nanodevices. 51 (2004)