2004 Fiscal Year Annual Research Report
量子情報のセキュアな伝送のための量子誤り訂正符号の構成法
Project/Area Number |
15760271
|
Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
臼田 毅 愛知県立大学, 情報科学部, 助教授 (80273308)
|
Keywords | 量子情報理論 / 量子誤り訂正符号 / 量子情報セキュリティ / 量子プロトコル |
Research Abstract |
本年度に行った研究を要約すると次のようになる. (1)不均一誤りに対応する量子誤り訂正符号の構成法の検討 昨年度提案した,特定位置量子誤り訂正符号を一般化した,量子不均一誤り保護符号の考察を行った.古典誤り訂正符号理論における,不均一誤り保護符号の構成法に,2つの線形符号を組み合わせる方法があることから,その量子版として,スタビライザーを2つ組み合わせることで,量子不均一誤り保護符号が構成可能かどうかを検討した.その結果,量子の場合は,単にスタビライザー符号を2つ組み合わせると,スタビライザーの構成要素の可換性を失うため,不都合があることがわかった.しかし,そのような方法でも量子符号が構成できる場合があることを,例を示すことで明らかにした. (2)不均一誤りに対応する量子誤り訂正符号の評価法の検討 (1)で検討した,量子不均一誤り保護符号の評価のため,古典不均一誤り保護符号で用いられるセパレーションという概念の量子版を考案した.また,特定位置量子誤り訂正符号の評価尺度としては,セパレーションだけは不十分であることがわかった. (3)特定位置量子誤り訂正符号の応用プロトコルの検討 昨年度提案した,特定位置量子誤り訂正符号の新しい応用法を検討した.具体的には,量子通信路上で,アダマール変換,ビットフリップをはじめとする4つの変換が任意に施されるプロトコルのクラスに,(3m,m)特定位置量子誤り訂正符号を施すことができ,そのようなプロトコルに情報復元機能を付加できることを示した.
|
Research Products
(4 results)