2004 Fiscal Year Annual Research Report
移動通信システムを対象としたバイオメトリック認証方式に関する研究
Project/Area Number |
15760275
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
山崎 恭 北九州市立大学, 国際環境工学部, 助教授 (10318785)
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Keywords | 話者認識 / CELP / LSP / バイオメトリック認証 / 音声情報処理 / 個人認証 / パターン認識 / 情報セキュリティ |
Research Abstract |
本年度は,前年度に提案したCELP(符号励振線形予測)符号化方式に基づく話者照合方式を改良し,より実際の利用環境に近いさまざまな雑音環境下において,信頼性の高い話者照合を可能にする個人認証アルゴリズムを提案した.提案手法では,雑音に対する耐性を有する話者照合方式を実現するため,雑音に対して安定した特徴を示すフレームを入力音声の中から選択する方法を検討した.具体的には,CS-ACELP符号化方式を対象とし,雑音環境下において,主要なパラメータの一つであるLSP(線スペクトル対)の変化が小さいフレームを選択することを目的とし,G.729 Annex BのVAD(Voice Activity Detection)アルゴリズムとCS-ACELPパラメータの一つであるピッチ(Pitch delay)に着目した.前者のVADアルゴリズムは,無音区間を圧縮してビットレートを低減するために使用される無音区間検出アルゴリズムであり,VADアルゴリズムを使用することにより,話者照合に適した有音区間を抽出することが可能となる.一方,後者のピッチは,有声音における音の高低に対応するパラメータであり,ピッチが安定する区間を抽出することにより,話者照合に適した有声音区間を抽出することが可能となる.すなわち,VADアルゴリズムで有音と判定され,かつピッチが安定と判定されるフレームを選択することにより,雑音による影響の少ない有声音のLSPを抽出することが可能となる.実際の音声を使用した信頼性評価実験を行った結果,提案手法により,従来手法よりも雑音に対する耐性が向上することを確認することができた.今後の課題として,より効果的な雑音対策手法の検討,録音音声によるなりすましや音声の経時変化に対する対策などが挙げられる.
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Research Products
(3 results)