2004 Fiscal Year Annual Research Report
移動通信における高速・高信頼伝送のための誤り訂正符号化・復号に関する研究
Project/Area Number |
15760283
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
井坂 元彦 関西学院大学, 理工学部, 講師 (50351739)
|
Keywords | 符号化 / 直列連接符号 / 高符号化率 / 反復復号法 |
Research Abstract |
無線通信において周波数利用効率に優れた伝送を実現する目的で,高符号化率の符号を構成すること,また処理量の少ない復号法を与えることは理論・応用の両面で重要な課題である.しかし,広範な信号対雑音電力比の下で,低誤り率を実現する符号については,実用性の観点から考えると,これまでに研究が尽くされているとは言い難い状況にある. 本研究では,確率的な反復復号の適用を前提として,高符号化率の連接符号または低密度パリティ検査符号を構成する場合に必要とされる要件について整理を行った.さらにその知見に基づいて具体的に特性に優れた新しい直列符号を構成し,その特性評価を多角的に行った.提案した符号は設計の柔軟性に富んでおり,符号長や符号化率を自由に設定することが可能である点において大きな利点を有している.また,符号長が十分大きい場合に反復復号を用いたとき,通信の信頼性に関する理論限界である通信路容量に迫る特性を示し,従来提案されている符号の多くを凌駕することを明らかにした.さらに,適切に符号を構成することで,雑音電力が小さい通信路においても,低重みの符号語に起因する「エラーフロア」を比較的低い誤り率に抑えられることを示した. これらの新規の成果に加え,前年度からの継続課題として,反復復号法において得られる事後確率をメトリックとして軟判定復号法を適用することで,誤り率特性を改善する手法について検討を行った.その結果として,グラフ上でサイクルを含む符号に対して反復復号法を適用した場合,特に周波数利用効率の高い伝送方式や符号間干渉通信路における反復的等化の特性評価などを行い,手法の有効性を確かめるとともに,反復復号法の振る舞いに関して定性的な考察を行った.
|
Research Products
(4 results)