2003 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバーフィルターを用いたアイセーフ・ドップラーライダーの開発
Project/Area Number |
15760303
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
柴田 泰邦 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (10305419)
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Keywords | ライダー / 風観測 / リモートセンシング / ドップラーシフト |
Research Abstract |
光ファイバ通信で波長分別フィルターとして利用されているファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG : Fiber Bragg Grating)をドップラーシフト周波数測定用のフィルターに利用することを新たに提案した。FBGはファイバコア部の屈折率が周期的に変化したもので、ブラッグ条件を満たす特定波長の光が反射し、それ以外の波長の光が透過するものである。レーザ波長をFBGフィルターの一つの傾き部分に同調し、フィルター透過光と反射光の強度比Rの変化からドップラーシフト周波数を求めることで、風観測が可能となる。 本年度は、消耗品費購入の光学部品および施設備品費購入のUVスコープを用いてライダー受信光をFBGフィルターに導き、FBGフィルター透過光と反射光を分離する1μm用光サーキュレータを製作し、現有のcw Nd : YAGレーザを用いてその性能を評価し、ライダー受信部として使用可能なことを確認した。また、消耗品費購入の電子部品、温度調節器を用いて光ファイバ温度制御部を製作し、所要の温度安定度を得た。さらに、対流圏内風観測で最適なアイセーフ波長をもつFBGフィルターの仕様について再検討した結果、紫外に比べ赤外ではミー散乱強度の違いによる測定誤差をほとんど無視できることが新たに会かり、現有のNd : YAGパルスレーザで使用可能な1μm用FBGフィルターの製作を行っている。得られた成果について、国内の学会および研究会で口頭発表(3件)を行った。
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