2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヘッドディスクインタフェースにおける液体潤滑剤の動特性の測定
Project/Area Number |
15760305
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Research Institution | Aichi Konan College |
Principal Investigator |
大島 康司 愛知江南短期大学, 現代幼児学科, 助教授 (60293651)
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Keywords | 磁気ディスク装置 / ヘッドディスクインタフェース / 高分子液体潤滑剤 / 減衰振動 / ナノ薄膜 / 表面力 / 動特性 |
Research Abstract |
本年度は研究実施計画に基づき研究を行い,以下のような結果を得た. 1.架橋状態液体の動特性の測定 潤滑剤を塗布したディスクに触針を接触させた後引き上げると,触針先端とディスク表面間に潤滑剤液体による架橋が形成される.このときに触針の引き上げ高さを精密に制御して,この液架橋を維持したまま触針を振動させることにより液架橋の減衰振動の測定を可能にした.この減衰振動から液架橋のばね定数と減衰率の測定ができ,潤滑剤の分子量,膜厚等の違いがこれらの特性に及ぼす影響について調べた.この結果,液架橋の伸張にともなって液架橋のばね定数が増大し,触針と分離する直前に減少すること,同様に減衰率は液架橋の伸張にともなって減少し,分離する直前に増大することを確認した.また,潤滑剤の分子量が増大すると減衰率に及ぼす膜厚の影響が小さくなることを確認した. 2.架橋状態液体の分離モデルの構築 上記の実験結果から,これまで仮定していた台形分離モデルを修正して分離時の周囲をより精密に構築することが可能となったが,この部分については来年度に検討する. 3.水平方向駆動装置の追加 水平方向駆動のアクチュエータとその変位を測定する装置を準備した. 4.光学系の改良 購入予定であった高出力レーザーの代賛品として30mWのHe-Neレーザーを準備できたので,これによりカンティレバーからの反射光を増大させ,干渉縞のコントラストを向上させた.しかし,従来は存在しなかった長周期のノイズの影響で測定精度を比較することが困難であるため,精度向上の評価は来年度の課題とする. 5.画像処理ソフトウェアの改良 現在のソフトウェアは実験的なデータの確認のための冗長な処理が多く含まれており,全体の処理速度を低下させているが,安定して稼動している現在は不要であるので,これらの処理の抽出を行い,処理時間の大幅な改善が可能であることを確認した.
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[Publications] 大島康司: "SPM用カンティレバーの過渡振動を用いたナノ分子膜の粘弾性特性の測定"日本機械学会2003年度年次大会講演論文集. 5. 247-248 (2003)
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[Publications] Yasunaga Mitsuya: "Measurement of Velocity-Dependent Adhesive Force Exerted on Magnetic Disk Using Micro-Probe of SPM"PROCEEDINGS OF THE 2003 STLE/ASME INTERNATIONAL JOINT TRIBOLOGY CONFERENCE. 242-1-242-11 (2003)
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[Publications] Yasuji Ohshima: "Measurement of Adhesion Force and Elongation of Molecularly Thin Lubricant by Using Transient Response of SPM Cantilever"PROCEEDINGS OF THE 2003 STLE/ASME INTERNATIONAL JOINT TRIBOLOGY CONFERENCE. 196-1-196-10 (2003)
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[Publications] Yasunaga Mitsuya: "Measurement of Velocity-Dependent Adhesive Force Exerted on Magnetic Disk Using Micro-Probe of SPM"TRANSACTIONS OF THE ASME, JOURNAL OF TRIBOLOGY. 125・4. 842-849 (2003)