2004 Fiscal Year Annual Research Report
電着補修した鉄筋コンクリート部材の耐久性に関する研究
Project/Area Number |
15760331
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西田 孝弘 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (10345358)
|
Keywords | 鉄筋コンクリート / 耐久性 / 電着補修 / 塩害 / 中性化 / 電着条件 / 補修効果 / ひび割れ閉塞 |
Research Abstract |
本研究では,これまで未検討であった電着補修した後の陸上鉄筋コンクリート部材の耐久性を検討することを目的とした.特に,本研究では,供試体を用いた検討および実部材を用いた検討を行った.以下に本研究で得られた主な結論を示す. 1 電着物により閉塞された鉄筋コンクリートのひび割れは,温度や湿度の変化を受けてもその状態を保ち続けることが確認された. 2 電着工法を適用した供試体は,塩害および中性化に対する耐久性を有することが確認された. 3 ひび割れ閉塞効果,防食効果および物質透過抑制効果の観点から,塩害により劣化した鉄筋コンクリートの電着による補修効果が確認された. (ア)電着工法の補修効果はコンクリート中に存在する塩化物イオン量の影響を受けることが確認された.これは,塩化物イオンの存在により陽イオンの移動量が減少するためと考えられた. (イ)電着工法適用後のコンクリートの酸素透過量はひび割れの閉塞状況に依存することが確認された. (ウ)電着工法適用後のコンクリート中鉄筋の発錆限界塩化物イオン濃度は約1.8kg/m^3であることが確認された. 4 本研究の結果,塩害により劣化した鉄筋コンクリートに対し電着工法を適用する際の最適な外部溶液種類およびその濃度,電流密度,通電期間が選定された. 5 電着工法適用後に,ひび割れ発生荷重の改善が期待できることが確認された.特に,電着期間の増加に伴いひび割れ発生荷重が増大することが確認された. 6 電着工法適用後に,コンクリート表層部は改質され,表層部でのコンクリートの強度の増加が確認された.また,電着物とコンクリートの接着は良好であることが確認された. 7 実部材の調査により,電着工法適用後4年間放置した後でも電着工法を適用した当時の補修効果が保たれることが確認された.
|
Research Products
(3 results)