2003 Fiscal Year Annual Research Report
全細骨材を各種産廃微粉で代替したプレパックドコンクリートの開発
Project/Area Number |
15760335
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松尾 栄治 山口大学, 工学部, 助手 (10284267)
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Keywords | プレパックドコンクリート / 粉体 / 粘性 / 圧縮強度 / 水粉体比 / 乾燥収縮 / クリープ |
Research Abstract |
本研究の目的はプレパックド工法において高流動モルタルの細骨材全量を微粉系の産廃に置換したコンクリートの開発である。 今年度は微粉の対象を石炭灰原粉,加圧流動床石炭灰の2種類とした。まず,セメントと粉体を混合する前にそれぞれの水粉体容積比と粘性の関係を明らかにした。粘性は購入した回転粘度計を用いた粘度の他に一般的に粘性の代表的な指標として用いられているP漏斗流下時間も測定した。それらのデータより混合した粉体(セメントと粉体)と水の割合から粘性を予測し,実験的に整合性を確認するとともに硬化後の圧縮強度を測定した。その結果,強度発現が良好でないために減水剤と膨張剤としてのアルミニウム粉末の混入を必要条件とすることとし,水粉体比と減水効果の関係を求めた。材料分離を抑制する観点も含み、基準フロー値の設定を行った結果,セメントと粉体の混合比率を1:1に選定し,ペースト部分とコンクリートにしたときの圧縮強度を測定した。その結果,アルミニウム粉末の混入によりコンクリート強度の方がペーストの強度を上回ることとなり,目標強度である20MPaを満足した。また,圧縮強度があくまでも水セメント比に支配されることが確認された。さらに,総粉体中の産廃粉体の割合を大きくする検討を行ったが,強度低下の問題から前述の1:1が限界であることが判明した。流動性に関してはセメントと粉体の混合比に関係なく水粉体比に支配されることが明らかとなった。 さらに単位水量が多いことに起因する問題点として「乾燥収縮」と「圧縮クリープ」を取り上げ,その性状を実験的に求めた。乾燥収縮については単位水量が大きいことによる収縮量の増加と粗骨材の噛み合わせ効果による収縮の拘束という両面が考えられたが,結果的には乾燥収縮は普通コンクリートと比較して大きくなることが明らかとなった。また圧縮クリープについては,土木学会のクリープ予測式とほぼ一致した。
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