2003 Fiscal Year Annual Research Report
フェーズドアレイ探触子の設計パラメータおよび制御法の最適化に関する研究
Project/Area Number |
15760344
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木本 和志 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (30323827)
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Keywords | アレイ探触子 / ビームステアリング / ビームフォーカシング / 最適化 / 超音波探傷試験 / 放射パターン |
Research Abstract |
本年は標記研究課題についてフェーズドアレイ探触子の最適設計変数の決定方法に関して研究を行った。具体的には、以下の三点について研究を行い、その結果入手ビーム幅の視点から最適な設計変数を決定する方法を明らかにすることができた。従って、次年度以降はアレイ探触子の制御方法についての最適化問題に取り組むことができる。 (1)アレイ探触子からの入射波動場の数値シミュレーション アレイ探触子の性能は、どのような入射場波動場を合成することができるかという点から判断される。したがって、アレイ探触子に関する最適化問題を考えるに先立ち、ある設計変数および制御法に対してどのような入射波動場が発生するのか知ることができなければならない。固体中の超音波を直接測定することはできないため、本研究ではアレイ探触子を半無限体上の分布鉛直荷重としてモデル化して、固体内部の波動場を計算するプログラムの開発を行った。これにより、様々な諸元の探触子から発生する入射場のシミュレーション並びに結果の可視化を行うことができるようになった。 (2)各種設計変数が入射波動場の形成に与える影響に関する検討 アレイ探触子を作成するにあたって与えるべき設計変数には、アレイ要素の幅、長さ、個数、隣接する要素の間隔がある。ここでは、これらの設計変数をいくつか変化させて入射場のシミュレーションを行い、各設計変数が入射波動場の形成に与える影響について明らかにした。その結果、アレイ要素の個数と要素間隔が重要なパラメータであることが明らかとなった。 (3)入射波動場の面からみた最適設計変数の決定方法 超音波探傷試験への利用の面からは、入射波のエネルギーはある方向に集中させることができれば都合がよい。そこで、入射ビームの広がりを最小化する最適化問題を考え、設計変数の決定を行う方法を提案した。その際、設計変数としては上記の結果を踏まえアレイ要素の数と間隔とした。これらの二変数に対してコスト関数を計算することでその最小値を与える設計変数を決定するとともに、そのような最適解が存在する物理的な理由についても明らかにすることができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Kimoto, S.Hirose: "A Green's function boundary element method for SH-wave scattering in an elastic layer"Review of progress in quantitative nondestructive evaluation. 23A. (2004)
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[Publications] 藤原昌之, 木本和志, 廣瀬壮一: "入射場の放射パターンを用いるリニアアレイ探触子の設計変数決定法"土木学会応用力学論文集. 6. 1089-1096 (2003)
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[Publications] 木本和志, 廣瀬壮一: "層状体に対するSH波のグリーン関数を用いた境界要素法"境界要素法論文集. 20. 73-78 (2003)