Research Abstract |
橋梁を「はかり」とするBridge Weigh-in-Motion(BWIM)と,構造物の振動モニタリングを組み合わせた「荷重・振動の同期モニタリング」の手法を提案し,ある道路橋において,1週間の長期モニタリングを行った.BWIMの手法としては,代表者が開発した「支点反力を用いたBridge Weigh-in-Motion」を用いることとし,鋼単純鈑桁形式の試験橋梁の端垂直補剛材にひずみゲージを貼付し,支点反力の変動量を検出することで通過車両の軸重を求めた.支点反力測定は4車線分の出口,入口で実施し,長時間の連続測定データから通過車両の荷重時刻歴,速度,軸距,車間,車種の時刻データを算出した.BWIMによる荷重測定と同期させて,主桁支間中央,橋脚天端,橋脚直下地盤,橋脚より5m離れた点(用地境界)の各点において,振動計を設置し,振動加速度波形を記録した.記録した荷重時刻歴の車間データを分析し,橋梁付近に1台の車両が単独で走行しているケースを抽出し,合計で9554台分の車両について,車両1台が単独走行する際の応答波形を波形記録から切り出した.各々の波形記録から,振動レベル波形のピーク値,軸重通過ごとの加速度ピーク値を検出し,振動レベルピーク値と車両総重量,加速度ピーク値と軸重との相関や,これらの走行速度,車種,タイヤ形状などに対する依存性を調査した.その結果,振動レベルは総重量に対して概ね正の相関があるものの,車両総重量が小さい領域ではばらつきが極めて大きく,車両総重量が小さい場合においても振動レベルが大きなケースが存在することが判明した.また,軸重と加速度ピーク値は同様に正の相関があるが,全体としてばらつきが大きいことが示された.さらに,総重量,速度に対してクラス分類を行い,クラス平均を比較した場合には,加速度ピーク値と走行速度は概ね線形関係にあることが明らかになった.
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