2003 Fiscal Year Annual Research Report
群杭基礎の限界状態の数値予測手法の開発と耐震設計に関する研究
Project/Area Number |
15760356
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Research Institution | Public Works Research Institute |
Principal Investigator |
白戸 真大 独立行政法人土木研究所, 構造物研究グループ基礎チーム, 研究員 (90355892)
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Keywords | RC部材 / 杭基礎 / ポストピーク挙動 / ファイバー要素 / 耐震設計 / 群杭 / 変形性能 / 限界状態設計法 |
Research Abstract |
模型場所打ち杭で構成される群杭模型の気中での水平交番載荷実験結果の数値シミュレーションを行った.場所打ち杭の数値モデルには,研究代表者が開発した弾性挙動から耐力低下挙動を一貫して追跡可能な構成則を組み込んだファイバー要素を適用した.研究代表者が開発したモデルは部材レベルでの検証を既に経ているが,本研究ではさらに構造物レベルでの性能の検証解析を行った.また,耐力低下挙動を無視したいくつかのモデルの適用性に関する検討も行った.その結果,以下の知見が得られた. 1.ファイバー要素を用いた場合には杭体に作用する軸力変動の影響を精度良く考慮できる. 2.群杭としての終局限界状態を評価するためには,コンクリートの破壊の進展のみならず鉄筋のはらみだしに起因する各杭の耐力低下挙動を追跡できるモデルが必要である. 3.一方で,群杭としての最大耐力付近までの解析を行う場合には,各杭に対して梁要素を用い,曲げモーメントM-軸力N-曲率・・相関関係を考慮したモデルであっても解析精度は比較的良好であることが分かった.しかし,M-N-・・関係の設定によっては軸力の変動に追随できない場合がある. 4.杭の軸方向鉄筋がフーチングから抜け出す影響を考慮することにより,群杭の剛性を精度良く評価できるようになる. 5.場所打ち杭のようにかぶりコンクリートが断面に占める割合の大きな部材では,かぶりコンクリートの適切なモデル化が必要とされる. 上述の解析における対象実験は気中で行われたものであるが,より実際の杭の状況に近くなるように,砂地盤中の場所打ち杭の水平交番載荷実験結果のシミュレーションを提案モデルを用いて行い,地盤との相互作用を受ける場合の杭の崩壊挙動,変形性能を調べた.解析の結果,周辺地盤がかぶりコンクリートを横拘束するとにより杭体の変形性能は気中にある場合よりも土中にある場合の方が増加することを数値的に示した.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Fukui, J., Shirato, M.: "A structural model of RC members subjected to severe earthquake loads and its application to assess the seismic performance of pile foundations"Technical memorandum of PWRI. 3916号. (2004)