2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15760360
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 俊一 京都大学, 工学研究科, 助手 (10243065)
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Keywords | 直接法 / 主双対内点法 / 極限解析 / シェイクダウン解析 / 残留変位 / 地盤工学 / 塑性設計法 |
Research Abstract |
地盤工学における塑性解析法を力学的・数学的な観点から整理し、主に直接法に基づく数値解析手法を利用した新たな塑性設計体系を念頭におき、理論的な検討を行った。すでに極限解析法の双対性に着目した混合型の数値解析アルゴリズムとして、主双対内点法に基づく混合型剛塑性有限要素法を提案していたが、今回、その解析手法を摩擦性材料に適用し、その妥当性を検討した。一方、外力として繰返し荷重を考慮した場合の直接法としては、シェイクダウン解析法が知られている。このシェイクダウン解析法も極限解析法と同様の数理構造を有するので、主双対内点法に基づく混合型シェイクダウン解析法のアルゴリズムを提案した。シェイクダウン解析法が適用できる材料は、その理論的な導出過程から明らかなように、弾性部分の挙動が線形弾性に限られるので、地盤工学の問題に適用する当たっては、大きな仮定を設ける必要があるが、直接法の特徴である数値解析時間・コスト面での有利さを勘案すると、今後応用範囲は広がると考える。さて、極限解析法にしろ、シェイクダウン解析法にしろ、これらは系が塑性安定性を失う限界状態を評価する方法である。これに対して、実際の設計では、構造物がその機能を発揮しうるような使用限界についても考慮する必要がある。この使用限界は変位で記述されることが多い。直接法に基づく設計体系を整備するためには、構造物の変位を定量的に評価しうる手法を開発する必要がある。そこで残留応力場による補ひずみエネルギー最小問題に基づいて、構造物の残留変位を予測する方法を理論的に検討した。この方法を加えることによって、初めて直接法による塑性設計体系に必要なツールが一通り揃ったことになる。今後は、具体的な数値解析コードの開発が必要である。
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Research Products
(6 results)