2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15760364
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
吉嶺 充俊 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (80251338)
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Keywords | 地盤の液状化 / 砂 / 非排水せん断 / 分級 / 不均一構造 / 三軸試験 |
Research Abstract |
自然地盤はその堆積過程での分級作用により多かれ少なかれ不均一な層構造を有している。ところが、砂地盤の液状化特性を室内試験で調査する際には、不撹乱供試体を用いることは大変に費用を必要とするので、自然地盤の分級層構造を保存していない均一に再構成された撹乱供試体を用いるのが普通である。本研究では、砂をふるい分けることによって人為的に分級層構造を有する供試体と、全く同じ砂材料を均一に混ぜた供試体について、非排水三軸圧縮試験と、非排水繰り返し三軸せん断試験を行ってその液状化強度特性を比較したところ、同じ密度を持った砂の供試体であっても、分級構造のあるものは均一なものに比べて遙かに大きな液状化抵抗を有することがわかった。分級供試体を作った場合、その粒度分布の不均一だけではなく、密度の不均一によって挙動に影響を及ぼすことが考えられる。そこで、落下高さを変化させて豊浦標準砂を空中落下させることにより粗密互層を有する供試体を作成し、非排水三軸圧縮試験を行った。その結果、極端に粗密差の大きな砂を非排水せん断したときには、均質な密度をもつ供試体に比べて、若干大きな過剰間隙水圧が発生し、せん断抵抗が低下したが、その低下率は極端に密度差が大きい場合でもわずかであり、一般には供試体の密度の不均一が液状化試験に及ぼす影響はほとんどないと言える。すなわち、分級構造が液状化強度に及ぼす影響は、密度の不均一性によるものではなく、純粋に粒度の不均一性によるものである。以上の実験結果より、砂の液状化特性を室内試験で評価する場合に、現地盤の分級構造を無視して均一な供試体を用いて実験を行うと、その液状化強度を著しく過小評価する可能性があるといえる。
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