2004 Fiscal Year Annual Research Report
強風・高波浪条件下における砕波帯での漂砂観測と数値モデルによる推算に関する研究
Project/Area Number |
15760378
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
加藤 茂 豊橋技術科学大学, 工学教育国際協力研究センター, 講師 (40303911)
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Keywords | 漂砂・地形変化モデル / Bailardの漂砂量式 / 結合数値モデル / 冬季季節風 / 台風 |
Research Abstract |
レーザー式濃度計(LISST-25),ADCP,超音波式波高計および超音波式風速計を用いた日本海沿岸での強風・高波浪条件下(冬季季節風下)における波浪・海浜流・海上風・漂砂データの解析を行い,海岸侵食,海底地形変化に影響を及ぼす漂砂の発生機構の解明を試みた.また,これまでに申請者らが開発を行ってきた流れの3次元数値モデルに,Bailardの漂砂量式を用いた漂砂・地形変化モデルを結合することにより,広域海浜流・漂砂系の結合数値モデルの構築し,このモデルを上越・大潟海岸の大潟波浪観測所観測桟橋周辺に適用し,本結合数値モデルの適用性および現地での漂砂・海底地形変化の発生機構を検討した.数値モデルの適用性に関しては,流れ,海底地形の計測結果と計算結果の比較から,定量的な精度(特に漂砂量と地形変化)に関しては十分とは言えず,さらにデータ解析による現地での漂砂現象の把握やモデルの改良が必要である.しかし,計算結果の定性的な適合性は確認され,本モデルによる計算結果から,ストームの来襲に対応して漂砂が急激に発生し,その時だけに顕著な地形変化が生じ,ストームの来襲毎に段階的に地形が変化することが確認された. また,太平洋岸での現地観測結果からは,台風による強風・高波浪条件下および台風接近前後のうねり来襲時における気象・海象条件の把握を試みた.日本海岸とは異なり,遠方で発生した台風の影響が沿岸域に及ぶため,強風条件と高波浪条件の発生が前後する場合が生じ,台風経路の違いによる気象・海象条件の特性の把握が必要であることが明らかとなった.今回の観測では,現地での浮遊砂濃度の直接計測が困難であったため,ADCPの反射強度を用いた浮遊砂濃度の鉛直分布計測への試みは実施できなかった.
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Research Products
(3 results)