リバースロジスティクスを考慮した都市圏物流交通の解析

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15760398
• Research Institution: Hiroshima University
• Principal Investigator: 山田 忠史 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80268317)
• Keywords: 静脈物流 / 配送計画 / 都市内交通 / 配送コスト

Research Abstract

都市圏内では、静脈物流の発生源を多く抱えていながら、その輸送は道路に頼らざるを得ないのが現状である。しかし、都市圏内において、企業がどのようなリバースロジスティクスシステムを構築し、それが都市圏の道路交通にどのようなインパクトをもたらすのかについては、十分な検討がなされていない。
本研究の目的は、(1)都市圏で発生する静脈物流が、都市圏の道路交通にどのような影響を及ぼすかについて明らかにすること、(2)有効な物流交通対策の検討・提案を行うこと、(3)静脈物流の発生に伴う都市圏物流交通の行動を解明することである。研究期間初年度に相当する本年度は、上記三項目を検討するための初期段階として、下記の二つの研究項目に着手した。
(1)リバースロジスティクスシステム(RLS)の現状と今後の動向の把握
(2)RLS導入以前の物流交通の行動モデルの構築
項目(1)については、製造業をはじめとした静脈物流の発生源に着目し、RLSの構築に関する現状と動向について、文献調査およびヒアリング調査を実施した。
次に、項目(2)については、協力的な荷主・物流企業を対象として、配車配送に関する行動データを収集した。収集されたデータをデータベース化することにより、使用車両数や車両一台あたりの顧客数、さらには到着時間指定の現状を把握することができた。一方、モデリングについては、既存の配車配送行動モデルの精緻化に努めた。モデルを用いた初期的検討により、道路網の所要時間変動に伴い、配送コストも変動するが、到着時間指定の影響を受けるために、所要時間の分布型とコストの分布型が必ずしも一致しないことを示した。また、高度な配車配送計画システムは、所要時間変動の影響を緩和させることも確認された。

Research Products

• [Publications] Yamada, T.: "Road network reliability analysis using vehicle routing and scheduling procedure"City Logistics III. 119-130 (2003)
• [Publications] 岸本 康一: "交換配送の効果に関する基礎的研究"土木学会中国支部第55回研究発表会概要集. 429-430 (2003)