2003 Fiscal Year Annual Research Report
非光合成細菌による低分子有機物からの嫌気性水素発酵に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15760408
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日高 平 京都大学, 工学研究科, 助手 (30346093)
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Keywords | 水素 / 嫌気性発酵 / 生ごみ / SRT / 有機酸 |
Research Abstract |
生ごみの嫌気性発酵により生成する有機酸の把握および水素への転換率を把握するために、人工生ごみを基質とした連続実験を行った。実験に用いた生ごみの組成は、湿重ベースで野菜(キャベツ、ジャガイモ、ニンジン、大根、白菜)10%、果物(リンゴ、オレンジ皮、バナナ皮)20%、残飯類(ご飯、パン、麺類)20%、肉類5%、魚介類5%、卵類2.5%である。これらの生ごみをブレンダーにより破砕し、TS10%に希釈して、基質とした。温度条件は高温発酵として、55℃に維持した。また、pHはこれまでの研究で明らかになった有機酸生成の最適値である6に維持するように、水酸化ナトリウムおよび塩酸を添加した。水理学的滞留時間(HRT)は3.5日とし、汚泥の返送量を調節することで固形物滞留時間(SRT)を10.5日、7日、3.5日の3段階で比較した。有機物負荷率は42gCOD/(L・日)とした。その結果、SRTが10.5日の場合にはCODベースで6.2%の水素が得られたのに対し、SRTが3.5日の場合には水素収率が6%まで低下した。メタンの発生はほとんど見られなかった。また、有機酸として、酢酸、乳酸、酪酸などが含まれており、その割合もSRTにより大きく変化し、SRTの制御の重要性が明らかになった。これらの結果より、水素は乳酸の分解過程に生成したと考えられた。後段に2段目の発酵槽を設けることで、有機酸のさらなる水素への変換が期待できるものと考えられる。
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