2004 Fiscal Year Annual Research Report
非光合成細菌による低分子有機物からの嫌気性水素発酵に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15760408
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日高 平 京都大学, 工学研究科, 助手 (30346093)
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Keywords | 水素 / 嫌気性発酵 / 生ごみ / 高温発酵 / pH / 有機酸 |
Research Abstract |
本研究では高温菌を用いた嫌気性水素発酵について検討するために、生ごみ基質として、水素回収に及ぼすpHの影響を把握した。実験に用いた生ごみの組成は、湿重ベースで野菜(キャベツ、ジャガイモ、ニンジン、大根、白菜)10%、果物(リンゴ、オレンジ皮、バナナ皮)20%、残飯類(ご飯、パン、麺類)20%、肉類5%、魚介類5%、卵類2.5%である。これらの生ごみをブレンダーにより破砕し、所定濃度に希釈して、基質とした。温度条件は高温発酵として、55℃に維持した。 種汚泥は連続高温酸発酵槽から採集した。この発酵槽の運転条件は、人工生ごみ(TS約4%)を基質として投入し、滞留時間と処理温度はそれぞれHRT4.5日(SRT9日)および55℃に設定した。平均pHは4.5-4.8であった。 本研究では、5つの反応槽を用意し、初期pH条件を変えて実験を行った(pHを4.5、5、5.5、6および7に設定した)。T-CODcrについて、pH4.5、5、5.5、6の条件では変化がほとんど見られなかった。しかし、pH7の条件ではガスの生成と共にCODcrの減少が確認された。発生ガスの組成は約40%の水素と60%の二酸化炭素であり、メタンは生成されなかった。水素の累積発生量は3.3Lであり、ガス化率は投入したCODcrを基準として約2%であった。また各反応槽において、72時間後の発酵液の有機酸組成をしらべると、各成分の生成割合はpHによって異なる傾向を示した。pH7では酪酸の濃度が急に28%まで増え、乳酸の生成割合は60%に減少した。
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