2003 Fiscal Year Annual Research Report
湿気をトレーサーとする多数室換気測定法に関する応用的研究
Project/Area Number |
15760444
|
Research Institution | Morioka Junior College,Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
本間 義規 岩手県立大学盛岡短期大学部, 生活科学科, 助教授 (90331272)
|
Keywords | 換気測定法 / 湿気 / 熱水分同時移動 / 同定 / 模型実験 |
Research Abstract |
今年度は,非吸放湿内装を想定した2室モデルの模型実験と実物大住宅でのトレーサーガス発生法の検討,および多数室温湿度計算プログラムにおける換気風量を未知数としたパラメータ同定法に関する検討をおこなった. 1/5スケールのアクリルボックスを居室に見立てた2室換気モデルの模型実験では,1室の外部に第1種および第3種機械換気設備を模擬したエアポンプ各1台を設置し,また,もう1室とは相互換気を行うことを想定してテフロンチューブで接続,その中間にマスフローメーターを備えた流量可変ポンプを設置,精密湿度発生装置で発生させた湿席既知の湿り空気を各室および両室にインパルス・ステップ発生させて,湿度測定結果をスペクトル分析した、アクリルボックスの容積に応じた換気回数を0.25ach,0.5ach,0.75achの,3水準に設定して実験した結果,湿度をトレーサーとした場合でも,非吸湿内装では設定した換気回数を±15%の範囲内で同定することができた.この誤差範囲は,サンプリングやドージング位置,瞬時一様拡散の仮定が同定結果に影響を与えていると考えられる.来年度は誤差要因の検討や,さらに室数を増やした検討を行うとともに,湿気物性既知の木材や石膏ボードなどの内装材を設置した場合の実験を行い,多数室温湿度シミュレーションに基づく換気風量同定の検証データとすることを計画している.また,実験住宅レベルでの同定手法についても並行して行った.本検討では,湿気のほかに炭酸ガスをトレーサーとして床下空間にステップ発生させ,相互相関係数から換気経路を同定した.
|