2004 Fiscal Year Annual Research Report
湿気をトレーサーとする多数室換気測定法に関する応用的研究
Project/Area Number |
15760444
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Research Institution | Morioka Junior College,Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
本間 義規 岩手県立大学盛岡短期大学部, 生活科学科, 助教授 (90331272)
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Keywords | 換気測定法 / 湿気 / 熱水分同時移動 / システム同定 / 漏気 |
Research Abstract |
今年度は,昨年度に行った非吸放湿内装(アクリルボックス)による2室モデルの模型実験に引き続き,ボックス内部に湿気容量としての吸放湿材を設置した実験を行い,吸放湿材料と各室の湿度がどのように変化するのかについて検討した.また,数値シミュレーションプログラムの作成と数値実験を行った. まず,模型実験に関して,湿気容量となる物質の湿気物性を把握するため,等温系における吸放湿材料の物性把握実験を行い,その吸放湿特性を把握した.吸放湿物質として木質系炭化材料と木質系材料の2種類を用いたが,材料の形状保持のために一部で金網を用いたため,その材料が湿気伝達率に与える影響を考慮した湿気伝導率の同定や,汎用偏微分方程式ソルバーを用いて2次元での内部絶対湿度分布の表現などを試みた.そうした実験検討により湿気物性を把握した材料をアクリルボックス内に設置して濃度既知のガスをパルス発生させ,換気を想定した風量と湿度変化の関係について実験を行った.今後,湿度の発生法として単純なパルス信号のみではなくM系列信号等も検討する予定である. また,換気系と連成させた多数室温湿度シミュレーションプログラムを用いて,いくつかの換気経路を想定し,各室の湿度変動に壁装の吸放湿がどのように影響するのかについて検討した.その結果,換気風量が0.1achでは躯体の気密性能によって漏気の影響を無視できないことがわかった.0.5ach程度の全体換気量ならば,湿度の発生法によって精度向上が見込まれる.次年度は,ScilabもしくはOctaveを利用する数値シミュレーションによるシステム同定手法の検討を行い,結果をまとめる予定である.
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