2004 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期におけるアレルギー発症・悪化と室内温湿度環境との関連
Project/Area Number |
15760446
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
青木 哲 岐阜工業高等専門学校, 建築学科, 講師 (80321438)
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Keywords | アレルギー / 幼児 / 温湿度 / 住まい方 / 皮膚水分 / 冷暖房 |
Research Abstract |
近年の幼児期におけるアレルギー疾患の増加問題に着目し、アンケートによる実態調査、幼稚園・保育園および幼児宅の温湿度調査を行い、1.幼児のアレルギー疾患数の実態把握と保護者のアレルギー問題に対する意識の把握、2.アレルギー問題に対する保護者の意識の相違による、室内環境の差異の把握、3.幼児宅における温湿度環境と皮膚水分との関係、4.幼稚園または保育園における温湿度環境と幼児の皮膚水分との関係について検討を行った。 1.のまとめ:名古屋市及び岐阜市周辺で行った平成15年度のアンケート調査では、アレルギーを持つ幼児は大都市部で23.1%、中間部で38.7%と、郡部で33.0%となった。平成16年度には、別の保育園・幼稚園で同様のアンケート調査を行った結果、アレルギーを持つ幼児は都市部で32.9%、郡部で45.1%となり、都市部よりも郡部での発症率が高いと結果となった。特に花粉症で割合が高くなっていた。アレルギーに関心のある保護者は約8割に上り関心度が高まっていることが裏付けられた。 2.のまとめ:掃除や換気などのアレルギー対策は、アレルギーの関心度よりも、幼児のアレルギーの有無の影響が大きかった。多変量解析数量化2類による分析によると、RC造の住宅でアレルギーとの関連が若干低く、築年数では古い住宅の方がアレルギーとの関連が高かった。 3.のまとめ:温湿度は住まい方により大きく異なり、アレルギーの有無による差異は明確に見られなかった。これは、アレルギーの有無に限らず幼児が居住し、その健康に配慮することが(例えば冷房を控えるなど)影響している可能性がある。 4.のまとめ:冬期では、出入りの激しい園内では乾燥しているところが多く、住宅内に居た時よりも、園内に居た時に皮膚水分率が低い幼児が見られたことも勘案すると、冬期では園内における乾燥対策、スキンケアが重要であると推察された。
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Research Products
(4 results)