2003 Fiscal Year Annual Research Report
都市生活における時間地理学的分析に基づく舞台芸術環境の立地適応に関する研究
Project/Area Number |
15760448
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂口 大洋 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70282118)
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Keywords | 時間地理学 / 文化施設 / 舞台芸術環境 / GIS / 利用者 |
Research Abstract |
今年度は、主に2つの調査・考察を行なった。 第一に、時間地理学上のGISによる記述の方法を検討した。まず、既往文献により技術的な可能性を検討したうえで、時間地理学の有識者へのヒアリング調査、GISのメーカーとの3次元のデータ記述の技術的な検討を行なった。その結果、都市中心部の調査データを3次元の時間地理学による表記への転換においては、幾つかの課題が存在するもののある程度の記述方法が可能であることを確認した。 第二に、都市中心部に立地する都市型複合文化施設の利用者を対象に、時間地理学を援用した来館前後、普段の日常生活圏の調査・分析を行なった。 まず、施設運営の状況、第1次調査として2001年に開館した仙台市中心部に立地する複合文化施設であるせんだいメディアテークの利用者を対象に、フェイスシートによる文化イベント(映画2、美術展示1)利用者の整理を行なった。また、施設周辺の立地状況のデータを時系列上でGIS上に整理し、施設立地の周辺の効果を捉えた。 次に二次調査としてそれらの利用者から、マップ上の記述や普段の施設や文化イベントの利用状況、鑑賞当日の軌跡とそのプロセスにおける滞在時間を捉えた。パスの形状・移動手段・同伴者の有無などから日常生活圏との関連で、その施設の選択のみならず施設利用時の周辺へのアクティビティの誘発を生んでいることを把握した。更に複合した施設の用途が、施設内の滞在時間を増加させているだけはなく、一日に複数の利用もみられるなど、都市内にそれらの施設が立地することによる周辺施設へのアクティビティの波及効果を明らかにした。
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