2004 Fiscal Year Annual Research Report
都市の人工社会研究のためのオントロジーに基づく基礎モデルの構築
Project/Area Number |
15760459
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瀧澤 重志 京都大学, 工学研究科, 助手 (40304133)
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Keywords | 人工社会 / エージェント / 地代決定 / 決定木 / 遺伝的プログラミング / 宅地割 / 最適化 |
Research Abstract |
都市構造に大きな影響を与え時空間的に変動する,都市の地価(地代)の決定メカニズムに関して,人工社会による単純な都市モデルを構築し,土地供給者の収益や各種土地利用者の効用と,土地価格決定方法の関係や形成される都市構造の時間変化について分析を行った。 モデルの概要を説明する。都市空間は1次元の格子空間とし,都市中心部(CBD)と郊外からなる。都市を構成する主体として,都市活動を行う事務所,工場,住宅の3種類の主体からなる土地需要エージェントと,土地を所有し土地需要エージェントに土地を賃貸する土地供給エージェントの2種類を用意する。土地市場はすべて賃貸市場とする。最初は何もない都市空間からスタートし,土地需要エージェントが外部から投入され都市が拡大する。土地需要エージェントの目的は,自分の支払い可能な地代の範囲内で,できるだけ効用(CBDへの近接性と周辺環境の状態)の高い場所に立地すること,土地供給エージェントの目的は,できるだけ多くの地代収入を獲得することである。この両者の目的を満たす土地供給エージェントの地代決定ルールを,最初の研究ではテーブル形式で記述し,多目的GAで最適化した研究を最初に行い,キャピタルゲインを意図した価格形成がなされることを確認した。さらに次の研究では,地代決定ルールを決定木で記述し,遺伝的プログラミングを用いてその構造を最適化する研究を行い,ルールの収束性の上昇を確認した。 さらに,よりミクロレベルで都市の設計方法論の研究として,不整形性を意図した都市の宅地の区画分割に関する研究を行った。ここでは,個々の街区を分子動力学法と反復局所探索法により分散的に配置することを行い,与えられた指標を満足する不整形な区画割を獲得する基礎的アルゴリズムを構築した。
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Research Products
(4 results)