2003 Fiscal Year Annual Research Report
建築空間の立体情報把握支援システムの開発とその評価-木構造の魅力を伝える学習支援教材の開発-
Project/Area Number |
15760466
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
下川 雄一 金沢工業大学, 工学部, 講師 (90308586)
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Keywords | 木造伝統建築 / 3次元モデル / 遠隔学習 / 継手・仕口 / データベース / ハイパーリンク / キーワード検索 / ハイライト表示 |
Research Abstract |
平成13年7月に復元工事が完了した金沢城の(1)五十間長屋と(2)菱櫓、および現在修理工事が進められている(3)金沢型町家(旧涌波家住宅)の3つのケースにおいて、インターネットで木造軸組や継手・仕口等の立体的な形状を閲覧できるコンテンツを制作中。それぞれの事例で建物の特徴に合わせて異なる試みを行っている。 (1)ケース1-金沢城五十間長屋 最初の試みとして、膨大な継手・仕口情報を効率的に閲覧できるシステムの構築を行った。主に以下の機能を構築した。 ・Webブラウザ上での3次元の木造軸組モデルの閲覧 ・ハイパーリンク継手・仕口情報閲覧機能(木造軸組モデルの任意の接合部をクリックして、その接合部の継手・仕口に関する詳細情報を閲覧する機能) ・キーワード継手・仕口情報閲覧機能(継手・仕口名称や部材名称のキーワードから関連する接合形式を検索し、その中の任意の接合形式を3次元軸組モデル上でハイライト表示させる機能) (2)ケース2-金沢城菱櫓 ・ケース1での接合部のハイライト表示における問題点を改良しながらシステムの構築を行った。 ・継手・仕口のデータベースにおいて、既存の継手・仕口雛形資料との関連性を高めた。 (3)ケース3-旧涌波家住宅 ・修理工事前と修理工事後の両状態をWebブラウザ上で容易に比較できるよう、各々の3次元建物モデルが表示された画面を並列に配置し、視点の移動・切り替えを同期させる試みを行った。 ・建物の様々な部位(軸組、壁、屋根、床など)の立体的な構成を任意に確認できるよう、Webブラウザ上で部位毎の表示・非表示を任意に切り替えられる機能を追加した。 平成16年1月には、歴史的建造物修復工事の専門家、日本建築史の専門家、木造の耐震設計の専門家らを招いて本研究に関する研究会を企画・実施し、システムの意義や問題点、今後の可能性についての検討を行った。
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Research Products
(1 results)