2004 Fiscal Year Annual Research Report
建築空間の立体情報把握支援システムの開発とその評価
Project/Area Number |
15760466
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
下川 雄一 金沢工業大学, 環境・建築学部, 講師 (90308586)
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Keywords | 木造 / 伝統建築 / 継手・仕口 / 教材 / デジタルアーカイブ / 3次元 / Web3D / コンピュータ・グラフィックス |
Research Abstract |
本研究では情報化時代における建築技術資料のデジタルアーカイブのモデルとして、ホームページ上で建物の木造軸組の立体構成や様々な技術情報を立体的・直感的に閲覧できるシステムの開発を行った。具体的には、金沢城址公園内の長屋(事例1)、金沢市内の町家(事例2)、京都市内の寺院本堂(事例3)等を事例に、Web3D技術を応用して、自在に視点を操作できる3次元の木造軸組モデルをインターフェイスとして、そこから個々の部材や接合技術に関する情報をハイパーリンクで取得できるシステムを構築した。主に以下のような機能を試験的に設け、評価を行った。 1)建物全体の木造架構の3次元モデルを様々な角度から自由に閲覧する機能(全事例共通) 2)部材種別毎の表示・非表示切り替えやハイライト表示機能(全事例共通) 3)部材情報(体積、重量、軸力など)のデータベース化と木造軸組3次元モデルとの関連付け(事例3) 4)接合部(継手・仕口)のデータベース化と木造軸組3次元モデルとの関連付け(全事例共通) 5)接合部(継手・仕口)データベースの検索対応とハイライト表示(事例1) 以上のシステム構築を通して、建築空間の立体的な仕組みを理解させるための、デジタル技術を活用した建築技術資料のモデル化を行った。また、上記システムを構築するための作業環境、及び作業プロセスを明らかにした。 上記システムを実際に木造伝統建築の改修に携わる技術者、および木造建築に関わる教育者、建築を学ぶ学生等に実際に利用してもらい、その効果や意義に関する評価を行った。結果として、木造建築の立体情報を把握させるシステムとしての有効性は確認できたが、3次元の木造建築の架構を閲覧する場合、どの部分を見ても同じような構成であるため、閲覧者の位置情報や見ている方向を閲覧者自身に確認させる情報が不可欠であることが分かった。
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Research Products
(3 results)