2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15760482
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Research Institution | Gifu City Women's College |
Principal Investigator |
矢口 直道 岐阜市立女子短期大学, 講師 (00342048)
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Keywords | 東洋建築史 / インド建築 / カルナータカ / 空間構成 / ホイサラ朝 / ヒンドゥー教 |
Research Abstract |
研究計画に基づき、平成16年8月3日から9月8日まで、インド・タミルナードゥ州とカルナータカ州において現地調査を行い、その成果の一部は、「On the Spatial Units of the Hoysala Temples A Study of Spatial Composition of the Hoysala Temples」と題した論文で、岐阜市立女子短期大学研究紀要第五十四輯に発表した(pp.183-189)。 本論文はホイサラ寺院を構成する室について、その構成原理を機能と平面形との関連性の観点から考察したものである。ホイサラ朝が支配した12世紀から14世紀にかけての南カルナータカ州の寺院は、外壁面に複雑な装飾が施されているのが特徴的であるが、本論文では、まずホイサラ朝の政治的、宗教的背景について概観し、寺院を構成する室の機能とその平面形を整理し、これらの室の配置との関連性について考察した。 寺院を構成する室はそれぞれの機能に分化し、独立したものと考えることができる。ホイサラ寺院の場合、室相互は格子窓が両脇にある扉口、木造の扉などで分離されており、これらは室単位で、比較的自由に配置されている。その室の配置は、概念的には本尊を祀るガルバグリハを中心として構成されているが、寺院の空間構成として考えるとむしろその中心はマンダパにある可能性を指摘した。 本年度の考察は、南インド寺院を把握する上で基礎的なものであり、またインド中世ヒンドゥー教寺院の中でも最も複雑な平面形を呈するホイサラ寺院の室の構成を理解することにより、ダミルナードゥ州からカルナータカ州の寺院建築に及ぼした影響が論理的に把握できるものと考えられる。
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Research Products
(1 results)