2003 Fiscal Year Annual Research Report
固体電解質電極をイオン供給源とした無機固体の微小部組成制御法の開発
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15760504
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
鎌田 海 熊本大学, 工学部, 助手 (90315284)
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Keywords | 固体電解質 / ガラス / ドーピング / マイクロコンタクト / 固体イオニクス |
Research Abstract |
微小な接触界面を有する固体電解質をイオン供給源とした無機固体材料、とくにガラス材料の局所組成制御法の確立を検討した。注入のための全固体セルは陽極/微小固体電解質/ガラス/陰極から構成される。セル全体に直流電圧を与えると、固体電解質/ガラスの微小界面を介して電解質に含まれる金属イオンがガラス内に導入される。ガラス材料に微小固体電解質電極を固定した局部選択的ドーピング、電極走査によるパターニングに成功し、ガラスの局所組成がマイクロメートルオーダーで制御できることを証明した。 本手法は電圧勾配を駆動力としたイオン注入であるために電流値や時間によってイオン注入量が定量的に制御できると考えられる。具体的にガラスへの銀イオンの注入では高い電流効率でイオン移動が進行し、マイクロモルレベルの微小量を精密に制御できることが分かった。しかし、セラミックスへの金属イオン注入ではガラスと比較して電流効率が低かった。 この手法ではガラス内アルカリ金属イオンに対して固体電解質に含まれる金属イオンが置換することでイオン注入が起こる。2種類以上のアルカリ金属イオンを含有するガラスに異種金属イオンの注入を行うと、注入金属に応じて置換されるアルカリ金属イオンの種類が変化することを見いだした。一般的にガラス内アルカリ金属イオンの中で、高伝導率を示すイオンが優先的に置換されるが、同時に注入イオンとアルカリ金属イオンの半径も置換挙動に重要な役割を果たすことが分かった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Kamada, S.Yamashita, Y.Matsumoto: "Electrochemical Design of Metal Distribution in Alkali Silicate Glass with Ion-conducting Microelectrodes"Journal of Materials Chemistry. Vol.13, No.6. 1265-1268 (2003)
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[Publications] K.Kamada, S.Udo, S.Yamashita, Y.Tsutsumi, Y.Matsumoto: "Quantitative Assessment of Solid Oxide Electrochemical Doping"Solid State Ionics. Vol.160, No.3-4. 389-394 (2003)
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[Publications] K.Kamada, Y.Tsutsumi, S.Yamashita, Y.Matsumoto: "Selective Substitution of Alkali Cations in Mixed Alkali Glass by Solid-state Electrochemistry"Journal of Solid State Chemistry. VOl.177, No.1. 189-193 (2004)
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[Publications] 鎌田 海: "固体間微小界面で金属微細構造を操る"化学と工業. Vol.56,No.10. 1149-1149 (2003)