2004 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド短繊維強化複合材料の3次元構造制御および高機能化技術の開発
Project/Area Number |
15760552
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
水本 将之 長崎大学, 工学部, 助手 (90325671)
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Keywords | 金属基複合材料 / 低圧加圧溶浸法 / 組織制御 / ビッカース硬さ / 摩耗試験 / 熱膨張特性 |
Research Abstract |
繊維強化複合材料中の繊維の3次元的分布を制御するために,繊維表面への金属およびセラミックス粒子からなる混合粒子の導入方法および導入した混合粒子の影響について検討した.強化繊維にはSiC繊維を,ハイブリッド化させる粒子には種々の粒径(10〜150μm)の混合粒子を用いた.マトリックス合金にはAl-4mass%Cu合金およびAl-7mass%Si合金を,繊維と混合粒子をハイブリッド化させるバインダーには,ポリエチレングリコールを用いた.繊維と混合粒子をバインダー中で撹拌・混合することにより,ハイブリッド繊維およびプリフォームの作製を同時に行った.得られたプリフォームをSEMにより調べた結果,SiC繊維表面に混合粒子が分散したハイブリッド繊維が得られることがわかった.ハイブリッド化させる混合粒子の粒径が複合化後の短繊維の3次元的分布に及ぼす影響を調べた結果,粒径10μm程度の小粒子は繊維同士の接触を防ぐ働きをし,粒径150μm程度の大粒子は繊維の配向性制御および均一分布に寄与することがわかった.また,粒径の異なる混合粒子を適切な重量比で混合して繊維表面に分散させることにより,マトリックス中に繊維が均一に分布し,かつランダムに配向した繊維ランダム配向複合材料を得ることができた.複合化後の組織の強化材/マトリックス界面をEDX-SEMにより調べた結果,反応層の形成は観察されなかった.また,得られた複合材料は安定した熱膨張挙動を示したことから,作製した複合材料中の強化材/マトリックス界面は強い接合強度を持つことが示唆された.ビッカース硬さを測定した結果,硬さに異方性がなかったことから,ハイブリッド繊維を用いることにより複合材料中の繊維の3次元的分布を制御できることがわかった.摩耗試験を行った結果,作製した複合材料は同じ強化材体積分率の粒子強化複合材料と比較して,高い耐摩耗特性を示した.
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Research Products
(3 results)