2003 Fiscal Year Annual Research Report
新規な回転式流動層プロセッサの開発と機能性ナノ粒子の調製
Project/Area Number |
15760562
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
綿野 哲 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (40240535)
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Keywords | 回転流動層 / 微粒子 / 流動化 / コーティング |
Research Abstract |
本研究の目的は、考案した回転式流動層において、強い遠心力場における微粒子流動化のメカニズムとその挙動の定量的把握、さらに、サブミクロン〜ナノ領域に及ぶ微粒子の表面改質、コーティングなどを試み、多種多様な微粒子のハンドリング装置としての確立を行うことである。本年度の研究目的は、1)流動化メカニズムの理論的解析および流動・混合・偏析状態の可視化、および2)微粒子の表面改質、コーティングに関する実験的検討であった。まず、流動化メカニズムの解析に関しては、粒子間の付着力を考慮した3次元粒子離散要素法を用いて、種々の運転条件(流動化空気風速、回転速度、容器幅)が粒子の運動挙動、混合度等に及ぼす影響を定量的に解析した。また、得られた結果に基づき流動状態を可視化することにも成功した。さらに、容器幅を増加させた場合の粒子混合状態も明らかにした。これらの知見により、回転式流動層における粒子運動挙動が明らかになるとともに、スケールアップを行う際の設計指針を明らかにすることができた。なお、本成果は、第8回中日流動層シンポジウムで発表を行っている。次に、微粒子の表面改質およびコーティングに関しては、これまでの流動層では均一な流動化が不可能であった付着性微粒子(コーンスターチ、平均径15ミクロン)に、腸溶性アクリルポリマーの懸濁液をスプレーし、単核コーティングを試みた。種々の運転条件と得られるコーティング物の粒度分布、薬物溶出特性などを定量的に評価した。その結果、これまでの流動層では不可能であった付着性微粒子を粒子間の付着(凝集)を極力抑えた状態で被覆できることを明らかにした。ここで得られた成果は、医薬品分野において抗癌剤の投与方法やDDSに新しい方法論を提案したことになる。さらに、研究成果は、平成15年度日本薬学会第123年会で発表するとともに、今春開催予定の日本薬学会第124年会および化学工学会第69年会で発表予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Watano, Y.Imada, K.Hamada, Y.Wakamatsu, Y.Tanabe, R.N.Dave, R.Pfeffer: "Microgranulation of Fine Powders by a Novel Rotating Fluidized Bed Granulator"Powder Technology. 131. 250-255 (2003)
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[Publications] S.Watano, H.Nakamura, K.Hamada, Y.Tanabe, Y.Wakamatsu: "Fine Particle Coating by an Innovative Rotating Fluidized Bed Processor"Proc.The 2nd Asian Particle Technology Symposium. 1. 303-308 (2003)
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[Publications] S.Okada, S.Watano, K.Hamada: "Computer Simulation of Kinetic Behaviors of Particle in a Rotating Fluidized Bed"Proc.Eighth China Japan Symposium on Fluidization. 1. 329-335 (2003)
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[Publications] S.Watano: "A new twist makes it possible to fluidize very fine powders"Chemical Engendering Magazine. July. 19 (2003)
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[Publications] 綿野 哲: "微粒子を用いた次世代医療技術と化粧品設計"粉体と工業. 35. 33-38 (2003)