2004 Fiscal Year Annual Research Report
分子集合体を利用した単分散ゼオライトナノクリスタルの調製とオレフィン合成への適用
Project/Area Number |
15760564
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
多湖 輝興 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20304743)
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Keywords | MFI型ゼオライト / ゼオライトナノクリスタル / 固体酸 / 界面活性剤 / ゼオライト触媒膜 / ナノクリスタル積層膜 / MTO反応 / オレフィン |
Research Abstract |
昨年度では,水/界面活性剤/有機溶媒を反応場に用い,ナノサイズのMFI型ゼオライト(シリカライト)結晶の合成に成功した.そこで、本年度は,ゼオライトナノクリスタルの形成機構について検討すると共に,その機構に基づく結晶サイズ制御を試みた.さらに,アルミニウムを結晶構造に導入し,酸点を持つ均一なMFI型ゼオライト(ZSM-5)ナノクリスタルの調製を試みた. シリカとアルミナの原料金属アルコキシドとテンプレートを含む水溶液を界面活性剤/有機溶媒溶液に投入し,マイクロエマルション相を形成する溶液を調製した.この溶液をオートクレーブに投入し,100℃〜160℃の水熱条件下でゼオライトナノクリスタルの合成を行った.原料金属アルコキシド濃度,テンプレート濃度と界面活性剤濃度を変化させることにより,結晶サイズが60nm〜1μmの範囲で制御された単分散なゼオライトナノクリスタルが得られた.更に,MFI型ゼオライト結晶構造内にアルミニウムが導入された,結晶サイズ150nmのZSM-5型ゼオライトナノクリスタルの調製に成功し,固体酸性を有していることをアンモニア昇温脱離法によって確認した. 結晶サイズ150nmと300nmのZSM-5型ナノクリスタルを調製し,アルミナフィルター上に積層させることにより,触媒膜型反応器を作製した.作製した膜を用いて,メタノールからのオレフィン合成反応(MTO反応)実験を行った.その結果,結晶サイズ150nmのナノクリスタルで作製した膜の方が高活性であり,さらにオレフィンの選択率が向上した.これは,結晶サイズが小さくなるに従い,結晶内における反応原料の拡散抵抗が低減されたためと考えられる.
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Research Products
(7 results)