2003 Fiscal Year Annual Research Report
分散・配列特性の制御を目指した金属酸化物ナノ粒子の単分子表面修飾法の開発
Project/Area Number |
15760565
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高見 誠一 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (40311550)
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Keywords | ナノ粒子 / 表面修飾 / 金属酸化物 / 合成場修飾 / 超臨界 / 水熱合成 / 分散・凝集 / 単分子層 |
Research Abstract |
多くの用途を持ち、産業への応用が進む酸化物ナノ粒子を、一層広い分野で活用するためのキーテクノロジーは、表面修飾による界面特性の制御と機能の複合化である。申請者は、水が高温高圧下で有機物と均一相を形成する特徴を活用し、酸化物ナノ粒子の分散媒である水中において単分子層表面修飾を行なうという、従来は全く不可能であった水中での表面修飾を提案している。その実現を目指し、本年度は超臨界水中における水熱合成で金属酸化物ナノ粒子を対象として、表面に様々な官能基を導入する手法を開発することを目標とした。具体的には、水熱合成された酸化物表面は水酸基で終端されており、これと異なる表面物性を実現するため、カルボキシル基、アミノ基など、水酸基と性質の異なる終端を持つ官能基の導入を試みた。 i)酸化物粒子を用いた表面修飾反応系の探索 大きい表面積が利用可能な酸化物粒子を用い、表面修飾の可能性を探索した。酸化物粒子を分散させた水にデカン酸などの直鎖有機分子を加え、高温高圧にした。反応前は水中に分散した酸化物粒子は、反応後、有機溶媒中に分散した。遠心分離と溶媒による希釈を繰り返した後でも、観察された分散挙動は変わらないことから、加えた試薬は強い結合を介して表面を覆っていることが示された。赤外分光による観察から、水酸基で終端された酸化物表面が、メチル基で終端され疎水性を持つようになったと考えている。 ii)超臨界水中で合成したナノ粒子上への表面修飾 上記で探索した表面修飾の反応系を、超臨界水中で合成された金属酸化物ナノ粒子に適用した。金属塩本溶液と修飾剤試薬に高温高圧を加えることにより、金属酸化物ナノ粒子の合成と表面修飾を同時に行うことを試みた。修飾剤非共存下で合成させた酸化物ナノ粒子は水中に分散したが、修飾剤共存下で合成されたナノ粒子は、有機溶媒中に分散した。FTIRの測定結果から、i)と同様の表面修飾反応が進行したと考えている。
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