2004 Fiscal Year Annual Research Report
分散・配列特性の制御を目指した金属酸化物ナノ粒子の単分子表面修飾法の開発
Project/Area Number |
15760565
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高見 誠一 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (40311550)
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Keywords | ナノ粒子 / 表面修飾 / 金属酸化物 / 反応場修飾 / 超臨界 / 水熱合成 / 分散・集合 / 単分子層 |
Research Abstract |
高温高圧下で水と有機物とが均一相を形成する特徴を活用し、酸化物ナノ粒子の合成場において、ナノ粒子表面の水酸基と有機物とを脱水縮合させ、有機物分子を酸化物表面に結合させる「酸化物ナノ粒子の合成場単分子層表面修飾法」をさらに発展させた。本年度は金属酸化物ナノ粒子の表面に、様々な官能基を導入する手法の開発に取り組んだ。具体的には、水熱合成された酸化物ナノ粒子表面にカルボキシル基、アミノ基などの導入を試みた。 i)両端に官能基を有する有機分子による表面単分子層修飾 鉄、チタン、セリウム、ニッケルなど様々な金属塩水溶液と、セバシン酸、ジアミノデカンなど両端に官能基を有する有機分子を反応器に入れ、数百℃程度まで加熱した。その結果、水に分散しやすいナノ粒子が合成された。様々なpH下におけるナノ粒子の分散挙動を評価したところ、セバシン酸共存下で合成した粒子の場合、酸性側で凝集が進行し、ジアミノデカン共存下で合成した粒子の場合、アルカリ性側で凝集した。これは、セバシン酸共存下で合成した粒子には、その表面に-COOH基が、ジアミノデカン共存下で合成した粒子には-NH2基が表面に出ているためと考えら得る。従って、昨年度までに確立した表面修飾法を用いることにより、酸化物ナノ粒子表面に様々な官能基を呈示することに成功した。 ii)官能基修飾による酸化物ナノ粒子の形態制御 官能基による酸化物ナノ粒子の表面修飾を行う過程で、表面修飾により、酸化物ナノ粒子の形状が大きく異なることを発見した。これは、ナノ粒子合成過程において官能基が表面に吸着することにより、その面の成長速度が抑制されるためと考えている。従来、ナノ粒子形状の制御は困難であったが、本手法により表面制御と形状の制御を同時に行うことが可能となった。
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Research Products
(1 results)