2004 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体を用いた大規模集積回路用高機能薄膜形成プロセスの開発
Project/Area Number |
15760566
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉山 正和 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (90323534)
|
Keywords | 銅薄膜 / ULSI用配線形成 / 超臨界二酸化炭素 / 有機金属原料 / 初期核発生 / 可視化 / 界面不純物 |
Research Abstract |
昨年度作製した窓付き超臨界製膜装置を用い,製膜過程のin situ観察手法の確立と,それに基づく原料探索,製膜条件の最適化を行った。 昨年度は,製膜過程を窓からCCDカメラにより観察し,流体および基板表面の色の変化として捉えることに成功した。今年度は,製膜過程の変化を定量的に観察するため,in situ紫外・可視分光測定を行った。タングステンランプの光を製膜装置の窓から入射し,基板に反射して戻ってくる光をCCDカメラに代えて取り付けたファイバー式分光器により観察した。これにより,(1)原料の溶解に伴う600nm付近にピークを持つブロードな吸収の増加,(2)基板上でのCu核発生・核の合一による700nm付近にピークを持つブロードな反射の増加が観察された。基板上でのCu核の状態と分光反射率の対応関係は,反射率変化の特徴的な段階で製膜を中止し,核や膜の電子顕微鏡観察を行うことで確認できた。基板温度を上昇させながら700nmの反射光強度を観察すると,ほぼ一定だった強度が核発生が始まる時点で急激に増大しはじめ,核が合一して連続膜になる時点で光強度の増加が飽和した。核発生が始まる温度が低い方が,平滑なCu膜を得られることがわかった。 この観察手法を用いて,製膜に適したCu有機錯体を探索した。当初用いたhfac錯体はフッ素がCuの核発生を阻害するため原料としては不適であることが判明した。そこで,フッ素非含有のacac錯体とdpm錯体を比較した。その結果,acac錯体の方が核発生開始温度が低く,より平滑な膜を製膜できることがわかった。また,TiNよりもRuの方が核発生温度が高いなど,核発生過程への下地の影響も明らかになった。
|
Research Products
(3 results)