2003 Fiscal Year Annual Research Report
[オキシ]ナイトライド光触媒による水の可視光完全分解
Project/Area Number |
15760575
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高田 剛 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (80334499)
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Keywords | 光触媒 / 水分解 / 水素製造 / オキシナイトライド / 窒化 / 液体アンモニア / ゲルマニウム化合物 / 高圧処理 |
Research Abstract |
従来の気相のアンモニアによる窒化処理では、金属酸化物からオキシナイトライドを得るために800℃以上の高温での加熱が必要であった。よって得られる化合物は窒素欠陥を含み、またシンタリングによる粒子径の増大により、光触媒として重要な要素となる高結晶性の微粒子を合成することは困難であった。本研究では結晶性の向上と粒子径の制御を目的とし、液体アンモニアを用いた低温での窒化とアニール処理を行った。そしてこれらの方法により得たオキシナイトライドの光触媒活性を並行して検討した。 新規に見出された紫外光照射下で水分解が可能なGe3N4光触媒を研究対象とした。出発物質をGeCl4とし、液体NH3中でのアンモノリシスにより前駆体となるGe(NH)2を得ることができる。これをさらに熱分解し脱NH3処理を行うことによりGe3N4を得ることができる。600℃以下の熱分解ではGe3N4の組成になるがアモルファスの状態であり光触媒としては用いることができない。ここでさらに加熱温度を上げるとシンタリングするため別の方法で結晶化させることが必要となる。アモルファス前駆体を600℃、40MPaの超臨界アンモニア中でアニール処理を行った。得られた物質をキャラクタリゼーションした結果、加圧条件下では結晶化が促進され、600℃の低温でも長時間処理することにより結晶化が可能であることがわかった。また得られた化合物はGe2+のような還元種、つまりは窒素欠陥を含まないものが得られた。これらの光触媒を調べたとこ、従来の方法で合成したものより水の分解活性は2倍程度向上した。今後、可視光領域に吸収を有するTa3N5,TaONのようなオキシナイトライドにおいても上記の合成法を検討していく予定である。
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