2003 Fiscal Year Annual Research Report
膜貫通ペプチドを用いた膜融合型磁性担体へのタンパク質アセンブリング技術の開発
Project/Area Number |
15760583
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 剛 東京農工大学, 工学部, 助手 (20345333)
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Keywords | 膜貫通ペプチド / 膜融合型磁気微粒子 / temporin L / 配向性 |
Research Abstract |
バイオテクノロジーやメディカル分野で最も汎用的に用いられるマグネタイト微粒子担体と脂質膜を利用することで、担体表面に生体分子を高度アセンブリングできる技術を開発することを目的とした。 ビオチン標識した抗菌性ペプチドTemporin L (TL)をアンカー分子として用い、アビジン-ビオチン結合を利用したストレプトアビジンの膜融合型磁性粒子上へのアセンブリングについて評価した。アセンブリングに先駆けて、TLの膜内での配向性を評価するために、TLのN末端、もしくはC末端にビオチンを標識し、蛍光(AlexaFluor350)標識したストレプトアビジンの結合の有無を蛍光顕微鏡観察により確認した。その結果、TLのN末端にビオチンを標識したものについてのみストレプトアビジンの結合に由来する蛍光が認められた。このことからTLのC末端側が膜内に挿入され、N末端側が膜上に遊離していることが示されるとともに、生体分子が結合した後においてもペプチドがアンカー分子として膜内に留まっていることが確認された。そこで、膜融合型磁性粒子表面のストレプトアビジンの結合数を蛍光強度から算出し、化学架橋法によるストレプトアビジン固定化数と比較した。化学架橋法は、PEのアミノ基に対し、スクシイミジル基を介してビオチンを固定化し、そのビオチンに対してAlexaFluor350標識ストレプトアビジンを結合させた。その結果、TLを用いた場合の結合数は化学架橋法の2倍に達していることが分かった。このことからペプチドアンカーを用いることで生体分子を活性を保持したまま膜上に分子レベルでアセンブリングできること、並びに本手法のタンパク質固定化量における優位性が示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tsuyoshi Tanaka et al.: "Spontaneous integration of transmembrane peptides into bacterial magnetic particle membrane and its application to display of useful proteins"Analytical Chemistry. (in press). (2004)
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[Publications] Yosuke Amemiya, Tsuyoshi Tanaka, Tadashi Matsunaga: "A novel detection system for biomolecules using nano-sized magnetite particles obtained from magnetic bacterium"Biosensors & Bioelectronics. (in press). (2004)
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[Publications] Tsuyoshi Tanaka et al.: "Rapid and sensitive detection of 17β-estradiol in environmental water using automated immunoassay system with bacterial magnetic particles"Journal of Biotechnology. 182(2). 153-159 (2004)
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[Publications] 松永 是, 田中 剛: "「磁性細菌の探索から網羅的解析へ」シリーズ:未知微生物の探索-共生から極限まで(12)バイオサイエンスとインダストリーvol.61"財団法人 バイオインダストリー協会. 4(603-606) (2003)