2004 Fiscal Year Annual Research Report
膜貫通ペプチドを用いた膜融合型磁性担体へのタンパク質アセンブリング技術の開発
Project/Area Number |
15760583
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 剛 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 講師 (20345333)
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Keywords | 膜融合型磁気微粒子 / temporin L / アンカー分子 / アセンブリング / 膜貫通型ペプチド / 抗菌性ペプチド |
Research Abstract |
平成16年度の研究成果を以下に概説する。 本研究は有機薄膜融合型ナノ磁性粒子を調製し、その薄膜上に効率的に挿入される膜貫通ペプチドをスクリーニングし、ナノ磁性粒子上へのタンパク質のアセンブリング技術を開発することを目的とした。膜融合型磁気微粒子を用い、膜貫通ペプチドのスクリーニングを行った結果、抗菌性ペプチド・temporin L(TL)が選定された。TLは主に原核細菌に対する抗菌性を示し、グラム陰性菌・グラム陽性菌の細胞膜に挿入され、細胞死を誘導すると考えられている。TLの膜融合型磁気微粒子への結合は、反応緩衝液・洗浄緩衝液の塩濃度,pHに影響を受けないことがあきらかとなった。 次に、TLをナノ磁性粒子に生体分子をアセンブリングするための分子アンカーとして機能するか評価した。具体的にはビオチン標識したTLを合成し、アビジン-ビオチン結合を利用したストレプトアビジンの膜融合型磁性粒子上への結合を確認した。ここで、TLの膜内での配向性を評価するために、TLのN末端、もしくはC末端にビオチンを標識し、蛍光標識したストレプトアビジンの結合の有無を蛍光顕微鏡観察により確認することとした。その結果、TLのN末端にビオチンを標識したものについてのみストレプトアビジンの結合に由来する蛍光が認められた。このことからTLのC末端側が膜内に挿入され、N末端側が膜上に遊離していることが示されるとともに、生体分子が結合した後においてもペプチドがアンカー分子として膜内に留まっていることが確認された。膜融合型磁性粒子表面のストレプトアビジンの結合数を蛍光強度から算出し、化学架橋法によるストレプトアビジン固定化数と比較した。その結果、TLを用いた場合の結合数は化学架橋法と同レベルであった。本ペプチドアンカーを川いることで生体分子を活性保持したまま膜上にアセンブリングできることが示された。
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Research Products
(2 results)