2003 Fiscal Year Annual Research Report
DNAコンジュゲートを用いた遺伝子―塩基変異を見分ける新しい遺伝子分離法の開発
Project/Area Number |
15760593
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
村上 義彦 独立行政法人理化学研究所, バイオ工学研究室, 基礎科学特別研究員 (00339748)
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Keywords | DNAコンジュゲート / キャピラリー電気泳動 / PRESS / アフィニティープローブ / 遺伝子検出 / 遺伝子検査 / オリゴヌクレオチド |
Research Abstract |
DNAコンジュゲートという新しいプローブ物質を用いたキャピラリー電気泳動システムを構築し、従来に無い原理に基づく遺伝子分離検出の新概念(Probe-Regulated Simultaneous Separation, PRESS)を提案した。本新規遺伝子検出法は、複数のDNAコンジュゲートプローブが標的遺伝子を特異的に捕捉し、各標的遺伝子-DNAコンジュゲートプローブ複合体が異なる時間に検出されるという従来に無いアプローチに基づいている。まず初めに、DNAコンジュゲートプローブの泳動挙動の検討を行った。その結果、オリゴヌクレオチドのグラフト量が異なるDNAコンジュゲートプローブ(-(5'-GCCACCAGC-3')_m-AAm_n-及び-(5'-TGTGTGT GT-3')_p-AAm_q-)の泳動速度に差が生じる事を見出した。これは、オリゴヌクレオチドのグラフト量が異なる事によって荷電/質量比に差が生じたためであると考えられる。そこでこれらのプローブを用い、キャピラリー電気泳動法による複数の同鎖長オリゴヌクレオチド(5'-GCTGGTGGC-3'及び5'-ACACACACA-3')の分離検出を検討した。通常のキャピラリー電気泳動法を用いた場合、二種類の標的オリゴヌクレオチドの泳動時間に差は無く、分離検出は不可能であった。しかし、二種類の標的オリゴヌクレオチドの混合溶液を分離検出する為に一種類のDNAコンジュゲートプローブを用いた場合には、各標的オリゴヌクレオチドが相補的なDNAコンジュゲートプローブと特異的に二本鎖を形成し、異なる泳動時間に検出される事を見出した。そこで、これらの二種類のDNAコンジュゲートプローブを用いたPRESS法を適用した結果、同鎖長オリゴヌクレオチドを特異的に同時分離検出する事に成功した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Murakami, Y. Maeda, M.: "Novel gene assay by probe-regulated simultaneous separation using capillary electrophoresis (CE-PRESS)"J.Biosci.Bioeng.. 96. 95-97 (2003)
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[Publications] 村上義彦, 前田瑞夫: "遺伝子診断・遺伝子治療とナノバイオテクノロジー"化学工学. 67. 272-275 (2003)
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[Publications] 村上義彦, 前田瑞夫: "医療分野におけるバイオ複合材料"MATERIAL STAGE. 3. 71-75 (2003)