2003 Fiscal Year Annual Research Report
パルスプラズマジェットを利用した太陽風プラズマ宇宙推進の実験研究
Project/Area Number |
15760594
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
船木 一幸 独立行政法人宇宙航空研究開発機構(宇宙研), 宇宙輸送工学研究系, 助教授 (50311171)
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Keywords | 宇宙推進 / 電気推進 / 磁気セイル |
Research Abstract |
近年、宇宙機の推進力を太陽風など外部のエネルギー源をもとに生成する推進方法が注目されるようになってきた。例えば、もしも太陽風プラズマ流を物体でせき止める事ができれば、太陽風の動圧を物体を押す力に変えることができる。太陽風を探査機周りに作り出した磁場で受け止めるのが今回研究対象とする太陽風プラズマ推進の考え方である。本研究では、太陽風を模擬したプラズマ流と、磁気ダイポール、そして磁気ダイポールのつくる磁場をプラズマ噴射による展開する推進機、といった一連のシステムを真空チャンバー中に実現するのを目的とする。実験室で模擬できるのは太陽風プラズマ推進をスケールダウンしたものに過ぎないが、2つのプラズマ源と磁場が相互干渉するパラメータを見つけることが出来れば、これによって磁気セイルの実現可能性を示す事ができる。 今年度は、パルスプラズマ源と磁場生成回路を設計製作して、試験準備を進めた。プラズマ源の1つは太陽風を模擬する高速プラズマジェットであり、今回はこれまでの研究開発で実績を持つ、直径2cmの小型マイクロ波イオン源を用いた。このプラズマジェット中に磁場をつくるコイルが置かれると、高速プラズマジェットと磁場との相互作用によって、磁場が大きく変形するはずである。後者の磁場生成のために、大型コンデンサをパルス駆動・放電させる専用回路を新規成作した。現在は、プラズマ源とパルス磁場生成回路の予備試験を実施しており、本格的な試験に向けての出力調整を実施中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 船木 一幸, 山川 宏, 藤田 和央, 野中 聡: "磁気プラズマセイルによる深宇宙探査"日本物理学会誌. 58・4. 266-269 (2003)
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[Publications] Funaki, I., Asahi, R., Fujita, K., Yamakawa, H., et al.: "Thrust Production Mechanism of a Magnetoplasma Sail"34th AIAA Plasmadynamics & Lasers Conference. AIAA2003-4292. 1-7 (2003)
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[Publications] 朝日龍介, 船木一幸, 山川宏, 藤田和央, 小川博之: "プラズマセイルの推力発生メカニズムの研究"第47回宇宙科学技術連合講演会講演集. 47. 1061-1066 (2003)
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[Publications] 南翼, 船木一幸, 山川宏, 小川博之, 中山宜典: "深宇宙探査におけるプラズマセイルの有用性の研究"第47回宇宙科学技術連合講演会講演集. 47. 606-611 (2003)
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[Publications] 船木 一幸: "磁気プラズマセイルの可能性と深宇宙探査への挑戦"日本物理学会講演概要集. 59・1. 235 (2004)