2004 Fiscal Year Annual Research Report
極低温領域で使用可能な小型軽量ループ・ヒートパイプ・システムの試作開発および研究
Project/Area Number |
15760601
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永井 大樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70360724)
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Keywords | ループヒートパイプ / ウィックコア / 宇宙機 / 小型 / 軽量 / 極低温 / 毛細管力 / ドライアウト |
Research Abstract |
近年、衛星などの宇宙機では搭載電子機器の高密度実装化に伴う発熱密度の増大とその複雑な配置制約に対応できる信頼性の高い熱制御デバイスが望まれている。特に、ペイロードの観点から、重量及び体積のコンパクト化は重要な目標に挙げられている。その中で現在、最も注目されているのが相変化を利用した熱制御システムの2相流体ループ(LHP)である。本研究では、この小型ループ・ヒートパイプ(LHP)・システムの試作開発を行う。特に80K〜190Kといった極低温領域に開発ターゲットを絞る。今年度は、前年度に試作したLHPシステムの性能評価試験を実施した。現段階では、LHPシステムの設計検証のため、常温にて試験を実施した。試験冷媒はエタノールを用いて行った。昨年までの予備動作試験において、液封入量が最適ではなかったことと、アキュムレータ容量の不足などの影響で低熱入力でもドライアウトしたため、本年度は液封入量をパラメータとして、いくつかの試験を試みた。その結果から以下の知見が得られた。本試験に関しても、低熱入力で正常に作動しなかった。すなわち、液封不量ではないということである。この原因の1つに蒸気出口での閉塞が挙げられる。本LHPはエバポレータ部の蒸気流路出口を圧力損失ができるだけ小さくなるように工夫したが、その設計の最適化は低温で行っているため、物性値の違いによる様々な影響(粘性、圧力損失、毛細管力、冷媒など)が考えられる。従って、低温における試験環境を構築し、再試験を実施する必要がある。今後は、再度LHPシステム全体の試験を行った後、設計解析に関する妥当性を検証し、低温への適用化へ向けて改良を実施していく。
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Research Products
(1 results)