2004 Fiscal Year Annual Research Report
溶接変形のアクティブインプロセス制御による工作精度向上へのアプローチ
Project/Area Number |
15760603
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
望月 正人 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10304015)
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Keywords | 溶接変形 / アクティブインプロセス制御 / 工作精度 / 溶接構造物 / 数値シミュレーション / インプロセス / 継手性能 / CIM |
Research Abstract |
船舶や海洋構造物などの大型溶接構造物に発生する残留応力や溶接変形が,構造物の強度や性能に種々の悪影響を及ぼすことは古くから周知の事実であるが,現在でも技術的に解決されているとは必ずしも言い切れない.したがって,溶接や熱加工によって発生する残留応力や溶接変形を評価し,さらには制御することが重要な技術課題となっており,種々の研究機関で活発な研究がなされている.溶接変形の評価についても最近の技術的な発展によってかなりの精度で予測が可能になりつつあるが,一方で,溶接後に機械加工などの後処理によって変形を矯正している場合が多い.しかし,生産プロセス全体の効率を考えると,溶接後に何らかの処理を加えることなしに溶接プロセス中に変形を制御してしまうのが好ましい.そこで,溶接による熱以外の熱的プロセスに注目し,溶接変形をリアルタイムで制御するという着想を持ち,本研究によって,種々の実験および数値解析を行うことによって新しい熱的プロセスを用いた溶接による変形制御法を具体的に提案し,その定量的効果を明らかにすることを目的とした.本年度の研究成果として,溶接トーチの直後に冷却ノズルを一定の距離を保ちながら追随されることにより,溶接変形を制御する「後行冷却法」を提案し,主に有限要素法による熱弾塑性数値シミュレーション解析により,溶接変形の低減メカニズムの検討や適正施工条件のパラメトリックサーベイなどの基礎的検討を行い,溶接変形の同定パラメータに関する有用な知見を得ることができた.さらに,材料特性の制御による溶接変形インプロセス低減法についても検討し,変形低減の観点から材料開発にフィードバックさせることができた.
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Research Products
(11 results)